☆2018年7月 月間MVP☆
※👑👑🇺🇸ダニエル・コーミエ🇺🇸👑👑※(UFCヘビー級、ライトヘビー級王者)
【UFC226 VSスティぺ・ミオシッチ戦 dif1RKO勝利】
現ヘビー級王者スティぺ・ミオシッチと、現ライトヘビー級王者ダニエル・コーミエによる、現役王者同士による夢のスーパーファイト。
その戦いの火蓋が切って落とされる。
1R、共にオーソドックススタイルの両者。
まずはヘビー級王者ミオシッチが左リードを伸ばし、軽くローキックを当ててじわじわとプレッシャーを掛けてゆく。
ミオシッチが右ストレートを伸ばすと、ライトヘビー級王者コーミエはそのタイミングで前手(左手)を伸ばして相手の首裏に手を回し、右のクリンチアッパーを当てる。
ミオシッチはそのまま密着状態でコーミエを金網に押し込み、足を掛けてTDに成功する。
コーミエは直ぐに立ち上がるがミオシッチにスタンドでバックを取られ、金網を背にミオシッチに左の脇を差されて張り付けられる。
レスリング巧者のコーミエと言えど、ヘビー級レスラーであるミオシッチとのフィジカル差は否めない場面だ。
ミオシッチが右→左と当てると、プッシングでコーミエを押し込み金網へ。四つに組んだ状態でミオシッチが膝蹴りを一発入れ、スタンドに戻る。
クリンチに移行する事も兼ねて、ムエタイ選手のように両手を前に伸ばし牽制するコーミエに、ミオシッチが左エルボーのカウンターを当てる。
ミオシッチのワンツーを、コーミエが重心を低くしてヘッドスリップで回避する。
コーミエがサウスポーにスイッチして右を伸ばしたところ、ミオシッチの目に指が入ってしまい(アイポーク)、レフェリーによって試合が中断される。
試合が再開し、ミオシッチ必殺の右ストレートをヘッドスリップでかわしたコーミエが、逆に懐に入ってワンツーを当てる。
クリンチ状態になった両者。ミオシッチはコーミエの右のリスト(手首)を左手で掴んでいるが、腕は下がっている状態だ。
ミオシッチの左ガードがガラ空きになっているのを瞬時に見抜いたコーミエが、リストを外し零距離で右フックを当ててダウンを奪う。
崩れ落ちたミオシッチに、コーミエが追撃のパウンドを放ったところでレフェリーストップ。
現ライトヘビー級王者ダニエル・コーミエが、ヘビー級王者ミオシッチをKOで破るという快挙を成し遂げたと共に、コナー・マクレガーに続くUFC史上2人目となる2階級同時王者となった。
学生時代からレスリングのエリート街道を歩み、レスリング代表としてアテネオリンピックに出場し、4位という好成績を残している。
2009年にMMAに転向。2011年にストライクフォースヘビー級GPに代役として出場し、決勝でジョシュ・バーネットを破り見事優勝を果たした。
その後UFCに移籍し、2015年にライトヘビー級王座決定戦に挑み、アンソニー・ジョンソンを相手に3Rリアネイキドチョークで一本勝ちを納め、UFC世界ライトヘビー級王者に戴冠。
そして、現役ライトヘビー級王者の肩書きを保ちながらヘビー級タイトルに挑戦し、見事KO勝利を納めた事で、UFC史上5人目となる2階級制覇を達成した。
オリンピックに2度出場する程のレスリング能力とフィジカルの強さを生かし、グラウンドでは鉄壁のトップキープとグラウンド&パウンドで試合を支配し、サブミッションでの一本を決める。
スタンドではリストコントロール(相手の手首を掴む)、頭部への打撃のディフェンス、そしてクリンチの要素を兼ね備えた、両手を前へ出す構えとヘッドスリップの融合で相手にプレッシャーを掛けていく。
そして、インファイトボクシングとダーティーボクシングを組み合わせて相手の懐へと踏み込んでいくと同時に、密着状態からのクリンチ打撃でKOを狙うと共に、テイクダウンへの布石へと繋げてゆく。
バックボーンであるレスリングの能力を最大限に生かしたMMAスタイルだ。
二階級制覇を達成後のインタビューでは、FOX SPORTSの解説で鍛え上げた流暢なマイクパフォーマンスで前ヘビー級王者ブロック・レスナーをオクタゴンに上げ、本場WWEさながらの舌戦で会場を盛り上げたコーミエ。
2019年の現役引退が囁かれている中、彼の輝かしいMMAキャリアのファイナルラップの幕が開く。