7月初旬に詰めて映画を観過ぎてしまい、映画を楽しめてなかったな、と感じています。

前回記事にした『グッド・ウィル・ハンティング』を観ても何も思わなかったのはそのせいかなと思います。

その後に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も観たんですけど、これも何も思わなくて。

別に名作をつまらないと言って「人とは違うんだよ」アピールをしたいわけじゃなく、本当に映画を観ても何も思わなくなってたんです。

面白くないにせよ、ここがつまらない、ここが自分の考え方と合わないとか思うことはあるはずだったんですけど。

本当に何も感想が湧かなかったんです、あのときは。

僕にとって映画って毎日のように観るものじゃなく週1〜2本くらいがいいみたいです。

『グッド・ウィル・ハンティング』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、そんな状態で観たのはもったいない作品だと思うので、いつかまた観てみます。


さて、この作品ですが、やっぱり映画を観るのが好きな日本人なら1作は観ておかなければならない監督の作品と思って観てみました。

「ちょっとは本読んでますよ」アピールさせてもらうと、『羅生門』ってタイトルなんですけど、話の内容的には同じ原作者の芥川龍之介が書いた『藪の中』なんですよね。

読んだ記憶ではあまり両作品に繋がりは感じなかったんですけど、映画のタイトルを『藪の中』じゃなくて『羅生門』にしたい何かがあったんでしょうか?

今なら原作好きな人たちから批判食らいそうだなって余計な世話を焼いてしまいましたね 笑


原作と比べて、心理描写が分かりやすくなっていましたね。

大ざっぱに言うと男女の見栄みたいなものって滑稽だよね、って話です。

それが最後のダサい決闘に出ていたのかと。

剣は雑に振り回すし、転がりながら逃げ回るし、漏れる声は情けないし、今まで観た中でいちばんかっこ悪い殺陣でした。

けど、これまでの話の流れからの決闘だからこれでよかったんです。

カッコつけたこと言っても、窮地に立たされれば人ってこんなにダサいんだよ、って言いたかったのかと。

黒澤監督もここはコメディみたいな感覚で撮ったのかもしれませんね。

僕はこのくらい分かりやすい心理描写の方がさくっと理解できて観やすかったです。


演技に関しては「昔の映画だな」って感じるところが多かったです。

例えば、最近の映画じゃ逃げながら振り返って高笑いしてまた逃げて…その繰り返しみたいな演技はしないですよね。

他にもリアリティよりも演技を優先したようなシーンが多かったです。

「三船敏郎の演技はそこが素晴らしいんだ」とか言う人いるかもしれませんけど、それは三船敏郎という大俳優を神格化しすぎだと思うし、変なものは変に感じてしまいますからね。

そういえば、何回も身体にとまった蚊を叩いてましたけど、何かの表現だったんでしょうか?

いくら白黒映画とはいえ、暑い時期の藪の中というシチュエーションは見れば分かるし、そういう仕草から読み取れる心理描写ってあったんでしょうか?

その仕草を何回もするものだから気になっちゃってストーリーを追うのに邪魔になっちゃいましたね。


古い映画だから敬遠してしてましたけど、思ったよりは楽しめたかな、と思います。

こういう人間のマイナスな部分の心理描写って惹かれてしまいますね 笑

いつかまた黒澤明監督作品を観てみたいですね。

そして神格化されるに値する三船敏郎を観てみたいです。