キレイ過ぎて文句がつけられない映画です。

この映画のここが悪かったって言ってもイチャモンにしかならない気がします。

それくらい映画としては完璧だったんじゃないでしょうか。

ただ、それが個人的に面白いかというと別問題です。


これまでこういう人情モノみたいな映画やドラマは気が向かなくて観たことなかったんです。

けれど最近はいろいろな作品を毛嫌いせず観ようと思ってまして、それで配信終了になるみたいなので観てみました。

「あぁこういう関係いいな、こういうこと言ったりできたりしていいな」と思えるシーンはたくさんありましたし、泣きそうにもなりました。

観終わって「いい映画だったな」とは思えましたけど、どこか満足できてなくて。

映画って観ていていい気分になるものだけじゃなくて、気分が悪くなるものからしか得られない栄養分みたいなものがあるんでしょうね。

この映画は優等生みたいな作品で、逆に面白みに欠けるというか。

じゃあどういう悪い部分を入れたらいいのかと言われると何も答えられないんですけど。


よく言われるノスタルジーは僕はあまり感じませんでした。

まぁ僕は昭和後期生まれでこの時代のこと知らないので。

ノスタルジーって "懐かしみ" とかそんな感じですよね?

過去に経験してないことを体験しても「懐かしい」とは言いませんよね?

「この時代に生まれていないけどノスタルジーを感じた」というレビューに違和感を感じた、という話です。

まぁ冷蔵庫が普及する前はどうやって冷蔵していたかとか、テレビが家庭に届いたとき人々はどう振る舞ったかとかを知れたのは知識が増えたという点ではプラスになりましたが。


まぁあと褒めるとしたらVFXってすごいな、ってところですかね。

この監督が作った『ゴジラ −1.0』のゴジラは全部VFXだったらしいですが、ホントにすごかったですね。

ホントにこのサイズの怪獣使って作品作ったんじゃないのか、と思ってしまうくらいに。

その20年ほど前に作られたこの作品でも使われてるみたいですけど「え?どれがVFXだったん?」って思えるくらいリアルでしたね。

CGとの違いとかは分かりませんけど、こういうコンピューターを使った映像ってどんどん進化してるんだなって感心しました。


もし僕がこの映画に得点を付けるなら高得点になると思います。

ただ、それはよかったところで加点して高得点になったのではなく、マイナスな部分がなくて高得点になったものです。

僕はもし自分が何らかの評価されたとき、よかったところで加点されて高得点を取れた方が嬉しくなると思います。

「ここがよかったね」と褒められた方が「悪いところがなかったね」と言われるより絶対いい。

だから、僕はこの映画がいい映画と言われるのは分かるけど面白いとは言えませんでした。

まぁ人に「この映画、面白い?」って聞かれたら悪くは言いませんし、続編2作品もちょっと気にはなるので観る機会があればあれば観たいですね。

ちょっとスパイス的に悪い部分を入れて僕を満足させて欲しいですが、逆に優等生を貫いて「ここまで真面目なのもいいな…」って僕を驚かせて欲しいって気持ちもありますね。