「◯◯したら死ぬ」って条件のホラーではもうこれが天井でしょう。

「呼吸したら死ぬ」「動いたら死ぬ」は絶対無理だし、映画としても面白くならないでしょうから。

わずかな音でも出したらダメじゃなくて、少し余裕を持たせたのもよかったですね。

少しくらいの音なら大丈夫とか、大きな音の近くなら大丈夫とか。

その余裕をどう生かしてピンチを切り抜けていくか楽しめましたからね。

細かいところを言えばキリがないですけど、設定に大きな穴や矛盾はなく話も進行したと思います。


条件が条件だけに、観ていて緊張感がありましたね。

なぜか観てるこっちまで音を立てないようにして観てしまいました。

観ながら食べていたクッキーを音を立てないように咀嚼したり 笑

映画が全体的に静かな分、大きな音が鳴ったときは本当にビビりましたね。

鳴ったときもそうですけど、「あ、音が鳴る!」ってところでもハラハラしました。

何かが倒れたときとか、床から出た釘を踏む瞬間とか。

こういう臨場感を観る人間に持たせられるのは映画としては成功ですよね。


ストーリーもよかったんじゃないでしょうか。

「音を出したら死ぬ」ってシチュエーションは結構おもいつくと思うんですけど、「じゃあそこからどう話を持っていく?」ってなったとき出産に持っていくのは難しいと思うんです。

出産するとき絶対声出るし、新生児なんて絶対大声で泣くし。

その対策もちゃんと考えられていたので、かなり構成に頭を使ったんじゃないでしょうか。

この状況で出産するって、この家族の強さも上手く表現できていると思うんです。

普通こんな状況では出産しようなんて思わないですからね。

でもそれはこの怪物に敗北したことを認めてしまうことになるわけで。

出産もそうですけど、子どもたちに勉強を教えたり、こんな状況下でもできる限り怪物が出現前に近い生活をすることで、怪物の支配に対抗していたんじゃないかと。

それを頭に置いておくと、最後の母親の表情は胸を打つものがありましたね。


ただ、最後の方は音がないのに襲ってきたように見えたところがありました。

父親が襲われたとき、「あれ?何か音出した?」ってなりましたから。

それと、とうもろこしの中に埋もれ沈んでいくシーンもこんな底なし沼みたいになるのかなって。

それにあんなにもがいていたら音もかなり出ていたでしょうけど、いつの間にか怪物もいなくなっていて。

最後らへんでちょっと矛盾が出てきてしまいましたね。


続編では怪物の正体も結構分かってきて、怪物退治がストーリーの軸になっているとネットで目にしました。

僕はちょっとそれが残念に思いました。

正体がよく分からなくて、勝ち目がない怪物だからより怖いところがあると思うんです。

怪物と闘うのは僕の好みではないですし。

ラストシーンは母親が怪物に睨むシーンで終わりましたけど、その後どうなったかは観た人の想像に任せて欲しかったです。

昔は観た人の想像に任せるとか好きじゃなかったんですけどね。

映画の楽しみ方が変わってきたな、と実感した作品でもありました 笑