足りないからこそ欲するんだろうっていう話!
河野裕さんの、
『その白さえ嘘だとしても』
を読みましたん。
クリスマスを目前に控えた階段島を、異変が襲った。通販が使えなくなったのだ。外界との唯一の接点を断たれた孤島。
島に紛れ込んだ犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。時を同じくして、クリスマスに纏わる七不思議が階段島を駆け巡り、佐々岡は少女のためにヴァイオリンの弦を探し、大地は行方不明になり、クリスマス会の準備に勤しむ水谷。。。
そして、イヴの日。各々の物語が交錯する時、七草は階段島の大きな謎と対峙するのだった。
前回から張られた伏線が徐々に回収されていきます。
とはいえ、この物語は一巻目からフーダニットより、ワイダニットのニュアンスが色濃い。
何故なのか、どうしてそうなったのか、
原因と結果のつながり、そしてこれからの行方について。
人間なんて欠落の塊で。
生きていく上で捨てるものなんて、
腐るほどあって。
それは人によって様々なんだろう。
しかし、
捨てたものが全て、
いらないものとは限らない。
ある側面では、
時には捨てることは無くすことだったり、
何かの誰かの、大切な部分だったりする。
現実で生きていくのは、
果たして幸せなのか。
いっそ、
捨ててしまうくらいなら、
失うくらいなら、
夢の中で生きていたいと、
そう願ってしまうのは、
間違ったことなのだろうか。
かく在らんと、
憧れを抱き続ける。
正しいことを選択し、
自分を曲げていく。
何が正解かなんて、
立場により、
時により、
相対的なものだから。
太陽は眩しいから、
直接なんて見られない。
星は遠く煌めくから美しい。
綺麗なものだけ、
辿って、選んで、
そういう世界で生きること。
様々な人の、
あらゆる個々の物語で、
この世界は紡がれている。
舞台の裏側、汚れた部分、
痛みや哀しみ、
当たり前のことが、
いかに当たり前でないか。
色んな思考実験ができる。
そんな一冊です。