小説の魔法だねっていう話。
伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』を読みました。
引っ越し先で出会ったのは、謎めいた雰囲気の青年、河崎。
初対面にもかかわらず、突然『一緒に本屋を襲わないか』と誘う。。。
彼の狙いは一冊の広辞苑。そんな話に乗る気はなかった椎名だが、気づけば彼は拳銃を持って、本屋の裏口にいた。
過去と現在、全てがバラバラの物語が一つずつ繋がり、やがて訪れる結末とは。。。
表題が、実に暗示的ですね。
脳内変換の妙。
アヒルと鴨の違いとは何なのか。
その意味するところが、
この一冊の全て。
どんでん返しの中では、
上位ランクの、
衝撃度があります。
価値観の違う人間。
それぞれの立場。
一つ一つの人生が、
混ざり合うことから生まれる、
不思議なシンフォニー。
登場人物の、
豊かな個性が紡ぐもの。
時に重なりあい、
時に相反し、
多彩な色が作り出されていく。
人間関係の
足し算、引き算、かけ算、わり算。。。
その全てが詰め込まれた、
人肌の温もりを感じさせる、
どこか哀愁のある物語。
ボブディランの、
『風に吹かれて』が、
自然と頭の中を巡る。
ゆるやかなテンポと、
フォーキーなメロディ、
そして懐かしさのある声。
こういった演出が、
伊坂作品の血肉になっている。