コールドゲーム | 楽々主義

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徒然なる日々

青春の陰と陽だっていう話♪

荻原浩さんの『コールドゲーム』
を読んだ。

高校三年の夏、
復讐は突然幕を開けた。。。
中学生時代のクラスメートが、
ひとり、またひとりと、何者かに襲われた。
犯行を予告する手紙から、一人の人物が浮かび上がる。。。
「トロ吉」当時そう呼ばれた彼は、
四年前、クラス中のイジメの標的であった。
しかし、しばらくして転校してしまった彼の行方を知る者はなかった。
光也をはじめとした有志は「北中防衛隊」を結成し、
早速犯人こと「トロ吉」を追い始めるのだが、集まった情報は全く似ても似つかぬ容姿の男。
本当に犯人は「トロ吉」なのか。
恐ろしく、そして悲しい真実と驚愕の結末。。。
高三の終わらない夏休みを描いた、青春ミステリー。

いやはや、驚いた。
これは見事な「青春ミステリー」☆☆(^o^)

どちらかに傾くこともなく、
実に上手く、両者を絡めた作品。

つくづく、子供の怖さを知る。

ほんの些細な、イタズラのような軽い悪意で、人の人生を、命を、まるで道端にゴミを投げるように扱う。
その、当人にしてみれば僅かな指先程度の悪意は、十分に人一人殺すだけの凶器になるのだということに、気づかぬまま。。。

やった方は、己の自覚なき罪を覚えていなければならないのに忘れるが、
やられた方は、ぬぐい去りたい暗い過去を忘れたいのに忘れられない。

時とは残酷なものだ。

癒すどころか傷は深くなり、膿み、やがて心を蝕み冒すのである。

イジメという題材の重さ、そしてのしかかる現実のプレッシャー。
揺れ動く思い、変えられぬ過去、戻れない現在。

18歳という、
一つの岐路に立つ少年たちの、
暑く、そして冷たい夏。

怒涛と驚愕のクライマックス、その先に待つ、少年たちが見つけ出した答え、ラストの秋空のような余韻。

リセットは出来ない。
人は色々なものを抱え、それらを踏みしめて生きていく。
唯一変えられる、未来の為に。