雨が降っている。
部屋の中から聞いている。
ひっそり凌ぐ雨音は
とてもとても穏やかだ。
そしてなんだか暖かで
心地よいぬくもりさえも感じられる。
しかしそれは
閉めきったこの隙間のない空間の中に
ただただたじろいでいるからだろう
きっと…
だっていったん窓をあけてみれば
外からの冷気にやられてしまうし。
からだもこころも陰湿おびてしまうし。
そして何かにとりつかれたかのように
ドアノブを回して外へ出てみる。
1歩1歩と怯えながら。
つづいて
その先にある沿道に出てみれば
車に跳ね返された水しぶきたちが
恐怖と悲鳴とを兼ね合わせて
断りも無下に
はむかってくる。
なんだか
ことばを失った雨の逆襲みたいだ。
からだ中をふさぎたくなるほどの痛烈さと叫びを
否応なしにぶつけてくる…
それは説明できぬほどとげとげしく
こころの奥まで鳴り響いてやまない…
それが現実の世界なんだと言わんばかりに…
扉を開けたその先にある未来は
いつも素敵とは限らない…
狂気を味わってしまったあとですぐに
凍てつく雨に打たれながら
自分の部屋に逃げ込んだ。
まるでこの世から身を消すように…
非現実的なその場所へ…
しばらくして
うたた寝してるうちにすっかりと
雨は密やかにあがっていた…
そうして夜も明けていき
何事もなかったふりをして
晴れ渡る朝の庭には
雨の姿はもうなかった。
水たまりを置き忘れたままで…
でももしかしたらわざと
そのこたえを与えてくれてる上での
贈り物なのかなとも思えた。
数えきれない痕跡を残しながら
夕べの出来事がまるで嘘のように…
ぶざまな感情を持ちあわせ
そしてその感情を
見るものすべてにみせつけてくる雨。
そして延長線上にあるのは数々の水たまり。
あ、そうか
そう言うところが
神秘的で興味をわかす対象になるのかもしれないな
たぶんだけど…
そうやって気になるが故に
どうしても飛び越えてしまいたい衝動にかられてしまうのかもしれない…
過去の後悔もひっくるめて
やってしまった失敗や反省を帳消しにしてくれそうで
未来を明るく変えてくれる。
わがまま承知で言うならば
そう断言したいんだ
本当に…
それは未知の世界へと続いている。
いまはとにかく雨が欲しい…
神がいるならすがりたい…