『真面目』の弊害? | Let's "FANCRUISE"!!

Let's "FANCRUISE"!!

株式会社FANCRUISEのblogです。少しでも皆さんのお役に立つことをお伝えできればと思っています!

例えば道を歩いていて、人通りも車の交通量も少ないエリアで横断歩道があって、歩行者側が赤信号だけど車は明らかにどちらからも近づいていない時・・・ダメな事ではありますが信号無視してさっさと渡っていく人が時々います。たまたまかもしれませんが、そういう行動を取るのは若者よりも年配者の方が多いように感じます。大学生以下だと本当に真面目に交通ルールを守っているように見受けられます。もちろん素晴らしい事ですし、僕たち年長者側がしっかりしなくては・・・と思ってしまいます。

 

何事につけても、学生さん達はとても『真面目』になってきたなと感じる事が多くなりました。ちょっと昔では、大学の授業で「代返」(友達の代わりに出席簿にマルをつけたり、声色を変えて点呼に返事をするツワモノまで)等はもう今の時代では死語となっているようですし、授業をサボって麻雀に耽るなんて大学生も見かけなくなったようです。まあ、これは昔でもごく一部の話だったとは思いますが・・・。

 

若い方々が真面目になっていった大きな要因の1つには、間違いなくSNSの存在があると思います。本人の気持ちの上ではちょっとはっちゃけて、いつもよりもハイテンションになってルールから逸脱するような行為をしてSNSに載せてしまうと、場合によっては日本中から一斉にバッシングを受けて大炎上するような世の中です。「人と違う事をする」「ルールにない事をする」のが怖く感じるのも当たり前ですよね。ルールを守るという点においては、多くの方々が真面目になったというのは喜ぶべき事だとは思います。

 

ただ・・・その一方で、皆が一斉に『真面目』になる事の弊害もあると強く感じてしまいます。それは、表向き真面目であれば、ルールさえ守っていれば、とやかく言われる事はないだろうという<思考停止>状態に陥りやすいのではないか、という事です。もちろん褒められた話ではありませんし肯定するわけではありませんが、先の信号無視の例をとってみても、右を見て左を見て、安全だと確認をして交通違反だとわかった上でも自己責任で赤信号を渡る人がいるわけです。その人はもちろんアウトですが、単純に「赤信号で止まるのがルール」だから止まる、では、本当の意味での安全は担保されないと思ってしまいます。赤信号があるのは、当然ながら車と人との接触事故を防ぐためにある、というそもそもの目的を正しく理解していれば、「赤信号を守る事」は必要条件であって十分条件ではない事がわかるはずです。こちらがルールを守って青信号で歩道を渡っていても、相手の車のドライバーが信号無視をすれば事故に遭う危険性だってあるわけで、「青信号=渡ってOK」というルールだけを守れば確実に安全とでも思っているのだとすれば、これは怖い事だなと感じてしまいます。実際に、横断歩道の道路寄りギリギリの位置で、大きなヘッドホンをつけて道路ギリギリで立っている方もみかけたりする事がありますが、これは「ルールを守って、一番本質的に必要である自分の身を守る事ができていない」典型例だと思うわけです。

 

ルールは守るためにあるのではなく、そもそもの目的を達成するための手段である。このような事を考えようとせず、思考する事もなく、ただ「ルールだから、守る」という真面目さを発揮してしまっては、色々な弊害があるのではないかな・・・と、心配してしまう事もあります。もちろん、ルールを守らない人は言語道断ですが・・・。