こんな事を書くと、もう本当におっさんになってしまったんだなあと自分で嫌になるので、あんまり口にする事はないようにしているのですが・・・色々な方の就職・転職相談を受けている中で、本当に気になるのが「とりあえず」という言葉です。これから就職する企業の事を、あまり深く知ろうともせずに条件面、福利厚生面だけをしっかりチェックして「とりあえず、働いてみよう」という考え方をする方が年々増えているように感じてしまうのです。
スマホやSNSの普及の影響が多分にあるように感じますが、例えば趣味で見たり聞いたりする映画や音楽も全編だと長くてまどろっこしいから、ストーリーやサビの部分だけをさっさと知りたい、聴きたい。気に入らなかったらスキップで次の動画や音楽へ。友達との会話も、昔のように電話ではなくLINEなどショートメッセージ、スタンプ中心ですから気軽なノリです。会う約束をしても、簡単に時間変更やキャンセルができてしまいます。もちろん昔より便利になったのは事実ですが、1つ1つの行動に対するノリがどんどん軽くなっていったのが実際のところで、もしかすると就職・転職活動もそれと同じノリのまま臨んでしまっているのではないかと・・・ちょっと気に入らない事があったら、「次の仕事を探せばいいか」というわけです。
確かに若手の労働力は不足していて売り手市場なわけですから、「次の仕事なんて、すぐにみつかるさ」というのはウソではありませんし、贅沢を言わなければ「転職先がすぐに決まる」というのも可能でしょう。でも、何でもいいから次の仕事を・・・という気持ちではないはずで、やっぱり求める条件や雰囲気、人間関係などがあると思います。長く安心して気持ちよく続けられる仕事かどうか、じっくり真剣に考えても損はないと思うのですが、そんなアドバイスをさせて頂いてもなんだか面倒臭い事を言われたなあ、という表情になってしまう方も中にはいて、こちらも困惑してしまうのです。
誰のものでもない、自分自身の人生です。より良く、より楽しく過ごすためには、自分に合った社風の、自分が興味ややりがいを感じて取り組める仕事に出会う事が必要です。ナイーブになりすぎる必要はありませんが、もうちょっとだけ仕事に対して真剣に考えて悩んでみてほしいなあ、と思う瞬間が増えてしまいました。口うるさいおっさんでいる事も、それはそれで必要な役割なのかなあと最近は思うようになりました。皆さんに、悔いのないように頑張ってほしいなと心から願いながらサポートを続けていきます。