2004.11.22(月)ソワレ
主なキャスト:エンジニア・・・筧 利夫/クリス・・・井上芳雄/キム・・・新妻聖子/ジョン・・・岡幸二郎
         トゥイ・・・tekkan/エレン・・・石川ちひろ/ジジ・・・杵鞭麻衣/タム・・・内田優希


☆座席2階D列27番

さとしさん楽に涙していた私ですが、この公演は井上さん楽であり、「ミス・サイゴン」MY楽でもありました。
もう、ホントに最後の最後・・・。

筧さんの「うえる、かむ、とうーどりーむらんどっ!」(本当にこういう風に聞こえた。)で大盛り上がりの「ドリームランド」が出てきて、私は早速饗庭さん&井上さんチェック(笑)


め組さんもすごい盛り上がりに感じました。
「17歳で初めて~」キムが歌うと、前にしゃがんでいたホセ@饗庭さんは、キムのアオザイを捲っていて(笑)キムの後ろにいたKAZZさんかな?に「おいっ」って感じで振り払われてました(^^ゞ
№66の人の横で「お前かよ~」と言っているところや、「ミス・サイゴン」選びでイボンヌの前にしゃがんで「えーらべミス・サイゴン♪」と歌う饗庭さん。
(ちなみに、「えーらべ♪」ところで首をくいっと曲げる仕草が結構好き。←マニア?^^;)
そして、どんどんやさぐれていく(?)井上クリス。その表情や仕草から「虚無感」がすごく出てると思いました。

「神よ何故?」井上クリス、11月に入ってから喉の調子が心配でしたが、悪化することなく、この日も歌い上げてました。
若干きつそうな部分もありましたが、それ以上に「心」がすごく伝わってくるかのようでじんわりきました。
私のツボ(?)も健在。
その空しさが、ひとつの光に救われるその姿が伝わってくるようでした。

新妻キムは、独特のビブラートが正直苦手ですが、それでもどんどんよくなってきたと思いました。
必死に生きる姿や激しい感情をぶつけるその迫力は、観る度に増してきたなあ、と。
「キムを演じてる(作ってる)」から、「キムとして生きてる」感じが少しずつ出てきたように思えて、何度もぞくっとしたり、うるっときたりしました。
井上クリスとの感じも最初は正直、なんだか見えない壁みたいなものを感じしっくりこなかったのですが、
11月後半はそれもなくなってるように思えました。

キムに逢ってからの井上クリスの浮かれっぷりは健在。若さ爆発は、今の井上クリスに出来る特権?(笑)

「あ”””っ~?!」(by岡ジョン)私の中で(「蓮の花~」に対する)ジョンアドリブ№1です(爆)

トゥイが侵入してきた時、(「お前は誰だ!」で)キムが井上クリスにしがみつくのって前からだったのかな?11月に入ってから「おや?」と思ったんですけど・・・(今頃言うな、自分。)
tekkanトゥイ、久しぶりです!声に迫力が出でました。他のトゥイと比べると、一番優しく感じるトゥイだなあ。


「3年後のホー・チ・ミン」
このダンスのシーン、どんどん好きになってきました。
いろんな人の動き、全体の動き、ハーモニーに感動。すごい揃ってる!迫力!
やっぱり下手から2列目1番前の饗庭さんを観てしまうんですけど。ホント、いい表情で気合の入ったダンスをしてるんです。
リボンダンスもびしっとした感じ。
め組さんの印象は「キレがあって、気合と迫力を感じる」。踊りも歌も。私のお気に入りです。

筧エンジニアって、ギラギラしていて、周りを小ばかにしている感が(笑)心の中で舌を出しながらひょいひょい世渡りしてる感じ。
「だーまされるな~エンジニアに♪」でも耳を塞いで聞かないフリしてたり、トゥイが権力者として現れても結構態度がでかいし。
トゥイの後ろで「あっかんべー」してるし。
「クークープリンセス」で、トゥイが「出ていけ!」というと筧エンジニアは「出て行け!」と周りの女性たちに行ったりして。(「お前もだよ。」と心のツッコミ。)
それぞれ独自のエンジニア像があって面白いなあと改めて思いました。あとは好みですね。

新妻キムとtekkanトゥイのやり取りも迫力ありました。
tekkanトゥイには余裕はあまり感じられなかったけど、その「精一杯」が逆に権力者の仮面をはずした感があって痛々しく可哀想に感じました。国を愛し、家族を愛し、真っ直ぐ真面目に生きてきたのに、と。

新妻キムの号泣と、め組アンサンブルの迫力にぞくっときてうるうるきました。
そして、トゥイの死を確認するアンサンブルの人(ごめんなさい、誰でしょう?)のくっと悔しそうな哀しそうな仕草がいつも印象的です。
このシーン好きだなあ。


「命をあげよう」新妻キム、聞くたびに説得力が増してきた気がします。よく声が出てて迫力もありました。

「ブイドイ」岡ジョンの冷静ながらもその思いがひしひしと伝わりました。カーテンコールでの挨拶を聞いて更に納得・・・。
そう思いつつ、下手から出てくるピンクのネクタイの饗庭さんをふと観てしまう私^^;


「バンコクのシーン」。
筧エンジニアの「めでたいね~ルパンぢゃないよ。」には笑ってしまいました。
そして私の視線は、帽子を被り短パンで黄色いシャツの旅行者、饗庭さん(笑)
いろんなお店を右往左往し、「ムーランルージュ」に入ったら入ったでお店のホステスを「へら~(*^。^*)」っと見上げるその表情(?)はかわいいやらおかしいやら。
お店から出てきた酔っ払い具合もなかなかです(笑)
小原オーナー、祝復活!すごい気合入ってました!「そっちの客じゃねえ、こっちの客だ!もっとバンバン客入れろ!」・・・ああ、さとしエンジニアとのやり取りが観たかった・・・。


「悪夢」。
「あの晩奴は消えた~」tekkanトゥイ、いい声!そしてよろっとする新妻キム。「さあ、行こう!」井上クリス。
マチネでも書きましたが、このシーンはよく頭の中をぐるぐる回ってます。
特にアンサンブルの皆さんの部分。緊迫感、迫力・・・。すごいなあ。
「引き裂かないで二人を」と受話器を手に歌う井上クリスの焦りにハラハラしつつ、下手でのスローモーションにも目が奪われます。
壁に手がかかった女性が、振り払われてそのまま落下し、それを支えてた男性もろとも地面に落ちていくシーンが妙に気になって。
それと相まって、必死に「妻」を連れてくる、俺は残る、と叫ぶ井上クリスの必死さに胸が痛くなりました。

思い出のアオザイを着ながらクリスに逢えることの喜びを歌う新妻キム。・・・残念・・・アオザイをキレイに着れてませんでした・・・これだけはどうしてもちゃんとしてほしかった!


「エレンとキム」。
新妻キムの悲痛な叫びにはぞくっときました。
冷静で知的な石川エレンは、キムの存在を知って動揺はしてるけど、やっぱり冷静さを失ってない感じがありました。
でも、最初の頃と違って、複雑な感情が歌からも伝わってくるようで、歌の上手さもあってなかなかよかったです。


「エレンとクリスとジョン」。
やっぱり冷静というか、包容力を感じさせる石川エレン。対照的に動揺している井上クリス。
そして井上クリスの告白は、痛々しく、切なかったです。

「タムを援助しよう♪」・・・
若さゆえにということはあるかも知れない。普通じゃない状況だった。でも、それでは済まされない問題・・・岡ジョンが冷静にそれを諭してる。
でも、井上クリスと石川エレンには今の自分たちの幸せの上でしかキム達のことを考えられなかったんだな・・・。
どうしてもそう感じ、やっぱり最後まで「はあ~?」だったのでした(笑)←役者が悪いわけではありません^^;
なぜ、石井クリスにだけそれを感じなかった(「はあ?」)のかは未だに自分の中でも疑問なのでした。


「アメリカン・ドリーム」
・・・すみません、ダンサーズばっかり観てました^^;
饗庭さんの爽やかな笑顔でのキレのいいダンスが好きなもんで。

そしてラスト。
このレポを読んでくださった方は気付いているかも知れませんが、私マチネと違って結構冷静でした。
ぞくっときたり、じわっとくることはポイントポイントであるものの、心が持ってかれるような感覚には一度もならずここまできていました。
が。
最後の最後でやられました。
「一夜で・・・遠く・・なる・・・」キムが力尽きると、クリスが「キーム!!」と泣き叫ぶのですが、ここで。
「あ・・・ああ・・・あ・・・」井上クリスが呻くような、嗚咽。
その瞬間、私の心はぎゅっと締め付けられ、ポロッと涙が。
「キーム!!!」絶叫に近い井上クリス。もう、ダメ。胸が熱くなり、涙が・・・。

今まで無かったのに~。(石井クリスは後半やっていたという話を聞いたことはありましたが。)
最後の最後でそうくるか~。
・・・そして、私の「ミス・サイゴン」が終わったのでした。


カーテンコール。
筧さん「あんなこと、こんなこと、そんなことがありました。」には笑ってしまいました。
ホント、いろんな事があって、それを乗り越えてきたんですもんねえ。

新妻さんは「これで終わりなんて信じられないですねえ」と。でも感謝も含め、しっかりしたご挨拶。
井上さんは「最初はGIには向かないと思っていた。線は細いし、強そうじゃないし・・・でも最後にはひとつになれた気がしました。」と。
「ミスサイゴン、最高!!」そう言って両手をあげてました。
岡さんは、「平和な中で歌える喜びをかみ締めつつ・・・」というようなことを言っていました。本当はいけない事だけど、役を離れてそんな「岡さん自身の思い」を込めてブイドイを歌っていた、と。
石川さんはこざっぱりした挨拶で。挙句に「お客さんの‘せい’あ、せいじゃない、お陰で・・・」と^^;
TEKKANさんは「緊張が移るんだけど」と言いつつ、「お酒の席で井上くんに潰されながら・・・」発言には笑ってしまいました。
杵鞭さんも笑顔の挨拶でした。
と、マチネとは違い、実にさっぱりした(?)挨拶でした。


そして、つ組&め組合同による「特別カーテンコール」。
「命をあげよう」では、上手で思わず涙ぐむ新妻さんの横で、そっとその背中に手を添えて支えてた井上さんがすごく印象的でした。
「アメリカンドリーム」では、「アメリカンドリーム」のフレーズのところで花束を持った手を左右に振っていたのですが、それを横目で見つつ、合わせようとしていた饗庭さんを観ていました(笑)
めっちゃ爽やかな笑顔でした。
(ちなみに、サイゴン公式HPにも思いっきりその写真が載ってます♪)
その後も何度かカーテンコールがあり、井上さんが新妻さんをお姫様抱っこしてくるくる回るシーンもありました。
オケの音楽が終わっても拍手が止まらず、幕の前に主要キャストの皆さんが再登場。
筧さんが「ほれ、なんか一言いえっ!」と皆さんにマイクを回してました。
岡さんの「打ち上げに行きたいので、もう帰してくださ~い!!」には爆笑しました。

この「ミス・サイゴン」ほどハマったことはありませんでした。
特に「アンサンブル」の素晴らしさ、存在感をこれほど感じたことは正直、ありませんでした。
饗庭さんがきっかけではありましたが、でもアンサンブルの皆さんに対して本当に「ありがとう!」と伝えたい気持ちです。