2004.8.26(木)マチネ
主なキャスト:エンジニア・・・橋本さとし/クリス・・・井上芳雄/キム・・・知念里奈/ジョン・・・今井清隆
         トゥイ・・・泉見洋平/エレン・・・ANZA/ジジ・・・杵鞭麻衣/タム・・・畠山紫音



☆座席1階C列40番

すっかり「トークショー」に興奮してしまい、記憶が更にあやふやです^^;
初見の役者さんの印象などを少し。


知念キムは、初見。
アオザイがとても似合ってました。声も芯がしっかりしててキレイでした。
あどけない声かと思うと、怒り苦しみなどを低音で歌う時は、ずしっと響かせてました。
いろんな声色を持ってる方だなあ、と。
井上さんとのデュエットもなかなか合っていたのではないでしょうか?
もうちょっと、表情や表現が豊かだといいんだけどなあ。例えば、切ない顔や戸惑った顔が、私から観るとすべて「困った顔」に観えちゃうんです。
そういう微妙な想いがもっと伝わると、ぐっとくる気がするのですが。また観てみたいです。


次にANZAエレン。復活してよかったです。これで既にエレンは制覇(笑)
ちょっと驚いたのは、石川さんや高橋さんとイメージがかなり違うエレンだったということです。
感情が、その歌からも表情からもかなりストレートに出てたように思います。
ますます、エレン像が掴めない私^^;
なんとなく、「冷静、でも熱い想いは持ってるけど胸に秘めてる、包容力」・・・そんなイメージをエレンに持ち始めてはいるのですが・・・。

歌にしても、勿論ANZAさんも他のお2人も上手なんですが、お三方とも高音で歌い上げる時に少々きつそう。
キムとの「今も信じているわ」も、きつく聞こえてしまうんです。歌にも、表現にももう少し包容力がほしいかな。
申し訳ないのですが、まだお三方ともぐっとこないんです・・・。


井上クリス。声が良く出てたと思います。虚しさ、喜び、苦しみ・・・その表情からも、歌声からもそんないろんな想いが伝わるようでした。
ちなみに「世界が終わる夜のように」は、今回が一番好きかな。知念さんとの高音も、きつすぎず、声量もあって心地よかったです。
ヘリに乗せられるシーンも、必死にキムを呼び、でも無理やり乗せられた感じがよく出てたと思うし、エレンへの告白シーンも、感情が溢れてくるようでした。
ただ、「タムを援助しよう」という私の「はあ~?」というシーン(注*別に井上さんが悪いのではありません^^;)。
ジョンに選択をせまられ、そういう結論を出すまでの表情や雰囲気に「真剣に考えたけど、これしか方法が思いつかない、これしか選択出来ない」と思わせるものが私にはあまり感じられず淋しかった。
どうしても、クリスとエレンは結局自分達のことで精一杯で、キムの事は二の次なんだなあ、と思っちゃう。
でも、当たり前か・・・。人間、普通はそう考えちゃうか・・・。うーむ(ーー;)難しい・・・。
人間、生きていくのに、大切なものを守るのに、奇麗事じゃ済まない事も多々あるしなあ・・・。
すみません、自問自答中です^^;
とにかく、井上クリスが、どんなクリスを伝えようとしているのか、これからもじっくり観て行きたいです。
他のクリスを観てませんし、まだモヤモヤしてる部分が多いので。
もしかすると私は、登場人物の中で一番クリスを注目しているのかもしれません。
微妙な演じ方一つで、「どんな人間か」というイメージがころっと変わっちゃいそうな役のような気がして。
これからも演じていく上で、もっと深みや重みが出て、益々説得力のあるクリスが観られればいいなあ、と井上さんの更なるクリスに期待したいと思います。


最後にさとしエンジニア。プレビュー以来でしたが、かなり慣れてきたというか余裕が出始めてる印象を受けました。
随所に出るアドリブ的な動きの数々(?)や、歌い方など。
前回観たときよりも、歌を「台詞を話すように」歌っていたように思います。好みもあると思いますが、私は好きです。
キムとクリスを対面させるシーンでは、お盆をさっと上げた後、小刻みに後ずさりしながらお盆を上下に(仰ぐように)動かしてました。その表情がまた、いたずら小僧のようです^^;
「生きのびたけりゃ」のシーン。
まがい物を詰め込むのに、ちょっと手間取っていた気がします(笑)
それはさておき、「あっ!(行くにゃビザがない~)」の言い方、表情、どうしてもダブリンとかやってる時のさとしさんなんですけど・・・^^;
その後下手で「ヘイ!ホーチミン!」と片手を突き上げます。
前回「チミンチミンチミン♪」と腰を振ってたさとしエンジニア、私はてっきり同じパターンかと思っていました。
すると。
「ヘイ!ホーチミン!・・・ヘイヘイホー♪ヘイヘイホー♪」(しかも、舟をこぐ仕草つき。)
これには思わず、吹き出してしまった私です。ヘイヘイホーって、さとしさん・・・。
2幕のバンコクの登場シーンではビシッと出てきた後、「よろしくお願いします!m(__)mどうですか?イケてますか?」と。私は拍手しそうになって遠慮しちゃいました。
周りも、盛り上げていいのか躊躇しちゃったかも知れません^^;(と、トークショーの時にさとしさんに伝えたかったなあ。)

ラストのシーンですが、どうしても引っかかることが。
キムの死に、タムを抱いてエンジニアがやってきます。その抱えてる時は、しっかりタムが見えないようにしてるんですが、
最後、タムを降ろす時、下手側、キムのいる側に降ろすんです。
なので、降ろされた瞬間、タムはしっかりキムを見てしまいます。ちらっと見てから、エレンの方を向いてじっとしている。これは、どうしても不自然に思えるんですが・・・。
これは演出でしょうか?エンジニアごとに違うんでしょうか。

私としては、もう少しギラギラした胡散臭い部分が濃くてもいいかなあ、と思いました。
そして、お調子者を演じてる時や、「アメリカンドリーム」での過去を語るシーンとかとの落差がもっとほしいんです。(私の好みとして。)
時にはドキッと、時にはくすっと、時には切なさを。「この人って一体?」と惹かれずにはいられない。
そんなさとしエンジニアを今後も期待します!