Between The Lines / Janis Ian
1.When the Party's Over 2.At Seventeen
3.From Me to You 4.Bright Lights and Promises
5.In the Winter 6.Water Colors
7.Between the Lines 8.Come On
9.Light a Light 10.Tea and Sympathy
11.Lover's Lullaby
1975年
日本人の琴線に触れるのか何度も何度も
CMやTV番組で使われているジャニス・イアンが
1975年に発表したアルバムです。
メジャー・レーベルのCBSでの2作目に当たりますが、
これ以前にも数枚のアルバムを出しています。
その中で一部伝説にもなっているのが、
まだ16歳の少女だった1966年に発表した
「ソサエティーズ・チャイルド」でした。
内容は極めてリアルでストレート、
白人の少女と黒人の少年の恋愛を歌ったものでした。
社会が見て見ぬ振りをしているものを表面化させてしまったせいで
当然評判になりヒットもしましたが、放送禁止の州が有ったり
ヘヴィ・ローテーションしたDJが暴漢に襲われたりと言う
社会的な事件になってしまいました。
16歳と言う普通でも多感な頃の少女にとって
社会の異常なほどの反応はどう写ったのでしょうか?
まぁ少なくとも彼女がそれからもずっと
シンガー・ソング・ライターを続けていると言う事は、
彼女にとって必ずしもマイナスでは無かった事として
受け取っても良いと思います。
しかし、極めて個人的な部分にまで社会が介入して来ると言う事が、
大人になった将来の彼女の作品を
より個人的な世界に引き込んだようにも感じます。
元々彼女と始めに契約しようとした会社は
彼女とライターとして契約しようしたらしいのです。
その事実は彼女の書く曲の素晴らしさを表していると思います。
ロバータ・フラックが歌った『わが心のジェシー』なども
日本ではヒットしていますし
極めて日本人に好かれるメロディを作るシンガーだと思うのですが、
その少し憂いを感じる彼女自身の声質や歌い方も日本人好みだと思います。
何度も何度も『日本人好み』と言う言葉を使っていますが
決して本国アメリカで人気が無かったと言うわけでは有りません。
「愛の回想録」と邦題がつけられたこのアルバムは
この年のグラミー賞作品です。
それほど表面的な人気にならないのは、
1980年代中盤頃から10年間以上のブランクが有ったせいなのです。
会社との契約問題がこじれ自主制作的なアルバムしか出せなかったり
病気だったりしたらしいのです。
しかしその間も日本ではCMやTVで使われていた事は、
日本人の感性の細やかさを表していると思います。
このアルバムを始めて聴いたのは1975年か76年だったと思います。
少し年上の近所のお姉さんに借りました。
彼女が聴いていたのはブラザーズ・フォー、
ビージーズ、アメリカなどでした。
日本のフォークも良く聴いている人でした。
そう言えば、リチャード・バックの「カモメのジョナサン」も借りました。
その後自分が彼の「イリュージョン」にハマるなんて思いもしませんでした。
このアルバムは、まるで組曲のように統一感のある作りになっています。
それぞれ一つ一つの単独した曲なのですが、
全ての曲が同じ価値観をもって書かれています。
その内容の極めて個人的な部分は、
まるで一人の少女の日記を覗いているような錯覚にも陥ってしまいます。
実際にこのアルバムが発表された時の彼女は24歳、
結婚の失敗やメジャー・レーベルとの契約などを経験して
大人の世界に入り込みながらも
何処か未来を夢見る少女の面影を残したその揺れ動く心が
こちらに伝わってくるようなアルバムです。
男の私が言うのもなんですが、男性には甘過ぎるかもしれません。
女性の方でも「世の中、そんなに甘いものじゃ無い」と言うかも知れません。
しかし1970年代の音楽を聴いていた人ならわかって貰えると思います。
あの頃特有の手作りの感触を感じさせる甘酸っぱい香りを含んだ
アコーステックな音の紡ぎ出す私小説的な世界の心地良さを。
今、ジャニス・イアンは女性との結婚式をあげ、
新作も発表しているようです。
また、著作権等の問題について積極的にかかわっていく
強い意志を最近は見せてくれています。
そんな彼女の積極的なHPがここです。
フリーで落とせるMP3も用意されています。
in the winterは確か日本でもヒットしましたよね。
Janis Ian HP
アーティスト: Janis Ian Between the Lines
アーティスト: Janis Ian Between the Lines [Bonus Track]
*この文章は以前在る所に載せたものを変更加筆したものです。