おなじみ、ディズニーのアニメ映画『白雪姫』の挿入歌。この曲は、American Film Institute (AFI) が2004年に発表した「アメリカ映画主題歌ベスト100」において19位(ディズニー映画としては7位になった "When You Wish Upon A Star" に次いで2番目)にランクされるなど、ディズニー映画を代表する一曲であり、多くのジャズミュージシャンによってカバーされてジャズ・スタンダードにもなっています。

 

まずはディズニーソングを集めた Dave Brubeck Quartet の "Dave Digs Disney"(1957年)より。

 

 

このアルバムをリリースした当時、ディズニーソングは大の大人のジャズミュージシャンがまともに相手にするものではない(要するに「お子ちゃま向け」)というのが一般的な見方だったということで、そんな中で Brubeck は金銭的なリスクを冒して賭けに出たわけですが、アルバムは大ヒットし、見事勝利を収めました。

 

そして、Brubeck のバージョンにインスパイアされたのがこちら。

 

 

当時(1961年)の Miles バンドのテナーサックスは Hank Mobley ですが、Miles はそのプレイに不満足で、前年に Miles バンドを退団して自らのグループを結成していた John Coltrane をゲストとして招聘したのはご存じのとおり。まあ、聴き比べると、トレーンの方が断然いいのは誰の耳(?)にも明らかで、Miles の判断はもっともではあるけれど、晒し者にされた Mobley はお気の毒(なお、ボツになった別テイクではトレーン抜き(=Mobley のみ)の演奏を聴くことができます)。ちなみに、この二人の「テナーバトル」は、Elmo Hope の "Informal Jazz" (1956)、Al Cohn/Zoot Sims/Mobley/Coltrane の "Tenor Conclave" (1956) と Johnny Griffin/Mobley/Coltrane の "A Blowing Session" (1957) に続いて4回目。

 

 

ジャケットにフィーチャーされているのは当時の Miles 夫人 Frances。

 

ピアノトリオは Keith Jarrett、Gary Peacock、Jack DeJohnette の「Standards」トリオで(小曽根真のアルバム "Spring Is Here" に収録されたバージョンにしたかったのだが、見つからなかった)。

 

 

そしてボーカルは Cassandra Wilson。

 

 

Miles Davis へのトリビュートアルバム "Traveling Miles" より。