この曲は、1970年に公開されたアメリカ映画『M★A★S★H マッシュ』及び1972年~83年に放映されたアメリカの同名のテレビドラマの主題歌で、アメリカではチャート入りすることはなかったのですが、70年に西ドイツで4位、80年にイギリスで1位となっています。映画を監督した Robert Altman は、Johnny Mandel に作曲を依頼した際、「Suicide Is Painless」というタイトルでかつて書かれたことがないようなバカバカしい曲を書こうともちかけ、作詞は自分でしようとしたのですが、頭にいろいろ詰め込みすぎた45歳のおっさんには無理だとギブアップして、当時14歳の息子 Michael に作詞を委ねたとのこと。その結果、Altman が映画を監督したことで得た収入が7万ドルであったのに対し、Michael の方はこの曲の印税として100万ドルを手にしたそうです。なお、「MASH」とは、「Mobile Army Surgical Hospital(陸軍移動野戦外科病院)」のこと。映画及びテレビドラマは、朝鮮戦争での野戦外科病院を舞台にしたブラックコメディで、特にテレビドラマの方は、最終回の視聴率が77%という驚異的な数字を叩き出したほどアメリカでは人気があったようです(これに対し、日本では映画の方は公開されテレビでも放映されたが、テレビドラマの方はその一部が放送されたことがあるのみ)。

 

 

この曲のカバーはジャズミュージシャンによるものが多く、まずはこちら。

 

 

Paul Desmond もいいけど、やはり Evans でしょう。

 

 

1977年にレコーディングされたものの、なぜかすぐには発売されず(オクラ入りとなり)、80年に Evans が亡くなってからようやくリリースされたアルバム "You Must Believe In Spring" に収録。なお、このアルバムは Eddie Gomez を含む Bill Evans トリオの最後の作品となりました。