ご存じ、ルイ・マル監督のデビュー作にしていわゆるヌーヴェルヴァーグの傑作『死刑台のエレベーター』のサウンドトラックより。音楽はもちろん、マイルス・デイヴィス。マイルスの起用は、ルイ・マルの助手を務めていたジャン・ポール・ラプノーが大のジャズファンで、折からパリのクリュブ・サン・ジェルマンに出演していたマイルスに音楽を依頼することをマルに提案したことによるもの。マイルスはフィルムのラッシュを見ながら即興で演奏したことはあまりにも有名な話。ジャズを聴き始めたころ(まだ映画は観ていなかった)、ラジオから流れてきた↑のテーマ(generique)のマイルスの得も言われぬクールなトランペットに衝撃を受け、早速CDを購入しました(これはホントの話(笑))。

 

 

映画の予告編があったので貼っときます。

 

 

原作はノエル・カレフ。私は原作を35年ほど前に読み、映画は25年ほど前に観たのですが、この映画のストーリー展開は原作とは大きく異なっていて(もっとも、小説を映画化した場合はそれがフツーか?)、全く別物といってもよいほど(原作にない不倫を絡めたところがフランスらしい)。今回、久しぶりに原作を読み、また映画(DVD)も観たのですが、特に映画の方はほとんど忘れていて、あれ、こんなだったかな、って感じで(ジャンヌ・モローが夜の街を彷徨っているシーンしか憶えていなかった・・・それにしても、彼女、あまりスタイルよくねーな(失礼))、自分で書いておいてこんなこというのはなんだけど、「傑作」っていうのはちょっと評価されすぎじゃね?というのが正直な感想です(特に結末は、原作の方は捻りが効いているのに対し、映画の方は陳腐といわざるを得ない(そういえば、初めて観たときの感想が、なんだかなぁ、だったことを思い出した)。しかし、モーリス・ロネではなく、ジャンヌ・モローを主役にしてしまったので、映画のような結末になるのはしょーがないのかな。殺人の動機も原作のように金銭絡みでは即物的で興醒めなので、愛情(不倫)絡みにした方がやはり映画的だろうし)。