1965年全米81位。アルバムは最高位25位というジャズとしては異例の大ヒットとなり、Blue Note 最大の売上を記録して同社を倒産の危機から救いました。日本ではよく「ジャズロックのはしり」みたいな言われ方をしますが、アメリカでは「ソウルジャズ」(あるいは普通に「ハードバップ」)にカテゴライズされているようです(ちなみに、アメリカでは「ジャズロック」とはフュージョンの同義語あるいは Blood, Sweat & Tears や初期の Chicago のようにジャズの要素を取り入れたロックを指すものとして使われる)。また、リアルタイムでこの曲を聴いた人に言わせると、もはや陳腐以外のなにものでもないとのことですが(要するに懐メロになっているってこと)、約20年後の80年代半ばに初めてこれを聴いた私などは逆に新鮮に感じたものです。なお、Lee Morgan はこの曲をアルバムの埋め草としてレコーディングしたのに、思いがけなく大ヒットしたため大いに戸惑ったという証言があります(このように作り手と受け手の捉え方にズレがある-特に作り手はなにが受けるか案外わからないというのは間々見られるところで、おもしろい)。だとすると、この曲をアルバムのタイトルトラックとしたのは Blue Note、おそらくは Alfred Lion の判断だと思われますが、そうであればその慧眼はさすがの一言(もっとも、そこがレコードプロデューサーの腕の見せ所なのではあるが)。

 

 

こちらはライヴバージョン。

 

 

Herbie Mann と Tamiko Jones(母親が日本人らしい)のコラボ。

 

 

Benny Green のピアノトリオバージョン。

 

 

正直、つまらないですね(笑)。この曲はやはりホーンがないとダメだな。

 

ところで、アルバム "The Sidewinder" の延長線上にあるとされるアルバム "The Rumproller" に収録されたこちらの "Desert Moonlight" という曲...。

 

 

お聴きのとおり、『月の沙漠』ですが、作者は「Lee Morgan」とクレジットされています(『月の沙漠』の作曲者は佐々木すぐるで、その発表は大正時代)。