1960年全米2位(Elvis Presley の "It's Now Or Never" の壁を破れなかった)、全英8位。この曲は Johnny Smith がオリジナルですが、Chet Atkins のカバーによってポピュラーになりました。Ventures は、Atkins のバージョンを聴いてこの曲をレパートリーに加え、ナイトクラブで演奏していたところ、毎晩繰り返し(5~6回も)リクエストされるようになったため、レコーディングすることにしたとのこと。周知のとおり、彼らはこの曲でブレイクしたのですが、それに続く大きなヒットがなかなか出ませんでした。そのため(?)、4年後にリメイク版をリリース。

 

 

1964年全米8位となり、同一の曲を2つの異なったバージョンでトップ10入りさせるという珍しい記録を打ち立てました。なお、彼らはこの後も度々この曲をリメイクしていて、その中にはディスコバージョン(1977年)やヘビメタバージョン(1986年)もあるそうです。

 

 

そのまんまな邦題(笑)。

 

Ventures が1965年に来日公演を行うといわゆる「エレキブーム」が到来します。当時を知る人(おれじゃないよ)の話では、冗談でなく、Beatles よりも人気があったそうです。当時の男子たち(とりわけギター小僧)には、女子から「キャーキャー」言われる Beatles に対するやっかみがあったのでしょうが、それだけではなく、インストバンドなので言葉の壁がなかったということも大きかったように思われます。1970年代以降、彼らのアメリカでの人気は凋落してしまうのですが、日本では根強い人気を誇り、私の若い頃はほとんど毎年のように来日し、「おらが町にもベンチャーズ」的なノリ(笑)で日本各地を巡業していました。おそらく、日本で最も愛されている外国のロックバンドと言ってよく(いわゆる「Big in Japan」の代表格)、日本におけるレコードの総売上は Beatles を上回る(一説によるとダブルスコアをつけている)そうです。ちなみに、George Harrison は、1960年代初めにはイギリスのバンドよりも Ventures のアメリカンなギターサウンドの方を好んでいたと述べています。 

 

Johnny Smith のオリジナルはこちら。

 

 

Johnny Smith は "Softly, As In A Morning Sunrise" にインスパイアされてこの曲を書いたということです。

 

Chet Atkins のバージョンはこちら。

 

 

"Softly, As In A Morning Sunrise" のフレーズをしっかり引用してますね。Johnny Smith はこのアレンジに満足したそうで、Ventures のバージョンもこのアレンジをベースにしています。

 

こちらは Jeff Beck & Stanley Clarke によるカバー(映画『リトル・ビッグ・フィールド(原題:Little Big League)』のサントラより)。

 

 

さらに Steve Howe によるカバーも。

 

 

かっこいい!

 

そして、またしても訃報です。1月22日に「ドンさん」こと Don Wilson がお亡くなりになりました。

 

 

これで、Ventures のオリジナルメンバーは全員天に召されたことになります。

 

最後に、Ventures が2008年にロックの殿堂入りした際のセレモニーの模様を。

 

 

John Fogerty(彼は Ventures から影響を受けたということでプレゼンターを務めたようである)が、「特に日本で人気がある」ことにメンションしてくれたのがなんだか嬉しいですね。

 

R.I.P., Don Wilson