John Fogerty は、Creedence Clearwater Revival (CCR) の解散後ソロとなったのですが、所属していたファンタジーレコードとの契約問題がこじれたことなどにより1976年以降音楽活動を停止してしまいます。そして、CCR 時代の楽曲の著作権をファンタジーレコードに譲渡することでようやく同社との契約から解放され、1985年のアルバム "Centerfield" でカムバックを果たしました。この曲はそのアルバムからのリードシングルとしてリリースされ、全米10位を記録。当時、これを聴いて「一人 CCR」だと友人らと語り合ったものです。ところが、ファンタジーレコードは、この曲は CCR の "Run Through The Jungle" の著作権を侵害すると主張して Fogerty を提訴しました。彼はギターを持って証言台に立ち、両者は全然別のものだということを陪審に納得させてこの裁判に勝訴したのですが、このしょーもないレコード会社の強欲さには怒りを禁じ得ません(でも、晩年の Bill Evans が所属していたレコード会社なんだけど...)。なお、Fogerty は、その勝訴判決が確定した後、ファンタジーレコードに対し弁護士費用請求の訴訟を提起します。この訴訟は米国最高裁まで争われ、同裁判所はそれまでの判例(著作権侵害訴訟に勝訴した被告が原告に弁護士費用を請求するためには、当該侵害訴訟が不当訴訟に当たることを証明しなければならないとされていた)を覆し、不当訴訟であることの証明は不要と判断して Fogerty の請求を認めました(Fogerty v. Fantasy, Inc., 510 U.S. 517 (1994))。

 

"Run Through The Jungle" も。

 

 

確かに似てるとは思うけど、どちらも Fogerty が作詞作曲したものなので、ある程度は仕方ないよな。1970年、"Up Around The Bend" との両A面シングルとしてリリースされ、全米4位。この曲はベトナム戦争に対する反戦歌だという解釈が一般的でしたが、John Fogerty は、2016年のインタビューで、銃が蔓延するアメリカ社会をジャングルに譬えたものだと述べています(彼が批判した状況は50年近くが経過した現在においても全く変わっていないどころか、むしろ悪化しているように思われる)。

 

こちらはアルバム "Centerfield" のジャケ写。

 

 

このアルバムは1985年見事全米1位に輝きました(Wham! の "Make It Big" からトップの座を奪った)。そのタイトルトラックがこちら。

 

 

1985年全米44位。今では "Take Me Out To The Ballgame" と並ぶ野球賛歌となっています。歌詞にはジョー・ディマジオ、ウィリー・メイズ、タイ・カッブの名前が出てきますが、いずれもポジションはセンターでした。このPVには MLB の往年のスタープレイヤーが数多く登場するので見ていて楽しくなります。もっとも、私には古すぎるのと、そもそも MLB にはそれほど詳しくないこともあって、アイデンティファイできるのは数人だけですが。