一昨年世を去ったアルトサックスの巨匠フィル・ウッズの最も世に知られた演奏がこの曲というのは、彼にとっていささか不本意だったのではないでしょうか。なお、ビリー・ジョエルの名作 "New York State Of Mind" の "Greatest Hits Volume I & II" に収録されたバージョンでは、アルトサックスのパートがウッズに差し替えられている、との説はフェイクのようです。
 
ウッズはさらに、スティーリー・ダンの "Doctor Wu" やポール・サイモンの "Have A Good Time" でもプレイしています。 

 

 

フィル・ウッズは、チャーリー・パーカー(バード)直系のアルティストを自認し、バードに傾倒するあまり、その未亡人と結婚したほどです。ただ、後藤雅洋氏が指摘するように、師匠のカミさんをテメーの女房にすることが衣鉢を継ぐことになるのかはよくわからないところです。
 
フィル・ウッズ自身の代表作は、ジョン・F・ケネディの弟で兄と同じく非業の死を遂げたロバート(ボブ)・ケネディに捧げたこちらの曲。

 

 

少しアバンギャルドが入っているところが時代(1968年の作品)を感じさせますが、これを聴くと気合が入ります。