この曲は1977年に最初にリリースされたときは全米97位に終わりましたが、82年にフロリダ州タンパのラジオ局の人気DJ Scott Shannon がこの曲を流したところ、大反響を呼び、アメリカで最高位3位を記録した他、イギリス、アイルランド、カナダ、オーストラリアでは1位、オランダ、ベルギー、ノルウェー、ニュージーランドでトップ10入りするなど、世界的な大ヒットとなりました。この曲は Charlene のファーストアルバムからの第三弾シングルでしたが、前二作がアダルトコンテンポラリーチャートでそこそこのヒットとなったのと比べると全く振るわず、アルバムも売れなかったため、所属していたモータウンから契約を打ち切られてしまい、彼女は一時音楽業界から離れます。そして、イギリス人と結婚して渡英し、ロンドン郊外のスイーツ店で働いていたところ、彼女を探し出した件の Scott Shannon から電話があり、音楽業界に復帰するよう口説かれます。Shannon はモータウンの社長も説得して彼女と再契約を結ばせてこの曲の再リリースに漕ぎつけ、見事な大ヒットとなりました(モータウン所属の白人女性シンガー初のトップ10ヒットとなったらしい)。

 

内容は、セレブの世界で面白おかしく暮らしてきたが今ではひとりぼっちでみすぼらしい生活を送っている(おそらく老境に差し掛かった)女性が、子育てにうんざりし、夫に束縛されていると感じている若い女性に対し、虚飾に満ちたセレブの世界なんかより、地に足の着いた実のある生活の方がずっと素晴らしいのだ(「パラダイスは経験したけど、本当の自分には出会えなかった」)と語りかけるもの。第三者的には(個人的にも)その通りだとは思いますが、セレブに憧れている当の本人に果たしてどれだけの訴求力があるものやら。

 

 

Charlene はこの曲の後はヒットに恵まれず、典型的な一発屋となってしまいましたが、音楽活動は今でも続けていて、こんなことまでやっちゃってます(笑)。

 

 

日本では椎名恵のカバー(日本語)が有名ですが、テレサ・テンの英語によるカバーを(椎名恵の名前を出す意味ある?(笑))。

 

 

こちらは Temptations によるカバー(もともとこの曲は男性の視点で書かれたもので、Charlene のバージョンとは歌詞が大きく異なる)。