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8.菊 … 鎮静作用が目に効く
1)消炎、鎮痛、解熱作用があり、目の炎症などによく効く
「漢方薬にも目に効果的なものはいろいろありますが、キクの花も目に効くとされているものの1つです」と、静岡県立大学薬学部助教授で、漢方薬に詳しい杉山清氏は言われます。
キクの花は日本人にとってもっとも親しみ深い花の1つですが、もともとは天平時代に、中国から伝えられたもの。当時は鑑賞用というよりは、もっぱら薬用植物と考えられていました。中国でも古くから不老の薬草とされ、次第に食用、そして鑑賞用にと発展していったのです。
「キクの花の効能はいろいろあるのですが、現代風にいうと消炎、鎮痛、解熱作用があり、目の炎症などによく効くとされて、多くの漢方薬に配合されています。」(杉山助教授)
自律神経を休め、鎮静させる効果もあるので、不眠症などにもキクの花は用いられます。熱を鎮める作用があり、目の充血を取去ったり炎症を抑えるため、花粉症のつらい症状にも、キクの花は効果的と考えられています。漢方薬としては、キクの花のつぼみを乾燥させたものを、お茶にして用いるのが一般的。簡単に入れるなら緑茶と同じように、きゅうすに入れて熱湯を注ぎ、エキス分を抽出するとよいです。
「漢方では普通、乾燥した花は1日5グラムほど用いるとされています。」(杉山助教授)
炎症性の目の疲れに効果を発揮するので、パソコンなどの使いすぎによる眼精疲労や、疲れ目にもよいといわれています。オフィスでOA機器による疲れ目に悩んでいる方は、お茶をたまにキク花茶に代えてみてはどうでしょうか。キク花茶は東洋的ハーブティーとも考えられます。高血圧による目の充血にも、キクの花が用いられます。
2)優れた殺菌、抗菌作用があり、目のはれ物や結膜炎などにも有効
「もう1つ、キクの花には優れた殺菌、抗菌作用があり、目のはれ物や結膜炎などにも用いられます。」(杉山助教授)
その場合も、キク花茶を飲んだり、あるいは、生の食用キクを食べても効果的。生のキクの花を刺し身のツマなどに使うのは、彩りとしてだけでなく、抗菌、毒消しの意味合いがあったのです。食用キクは眼精疲労にも効果があります。
生のキクの花は、ガクをつけたまま酢を少々加えた熱湯に入れ、はしで押さえてさっとゆでます。冷水にとってガクをとり、三杯酢などにして食べると美味。お浸しや、スープなどに用いてもよいでしょう。
左党の方には、キク花酒がお勧め。梅酒と同じ要領で、生のキクの花とハチミツをホワイトリカーに漬け、2~3ヶ月したらふきんでこして出来上がり。これを1日杯に1~2杯飲むと目によい効果があるとされています。
自律神経をよく休める作用もあるので、安眠剤としても効果的。