欧州議会選挙

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谷本　憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定（貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員

木曜日から4日間の日程で、欧州議会選挙の投票が加盟国ごとに行われています。

欧州議会とは

欧州連合(EU)主要機関の一つで、27の加盟国から直接選挙で選出された議員で構成される。EU理事会と共同で立法を行い、EU市民約5億人の声を代表している。

欧州議会を構成する議員は、5年ごとにそれぞれのEU加盟国から選出されます。
EU加盟国の住民は国籍にかかわらず居住する国で、その国の候補者に投票することができます。
全部で720名の議員が、直接投票により選ばれます。
昨日はオランダ、本日はアイルランド、土曜日はラトビアなどで実施され、メインとなる9日は加盟国のうち大半の国で投票が行われます。

欧州議会選オランダで開始、EU懐疑派に勢い　9日まで
欧州連合(EU)の立法機関である欧州議会選挙が6日、オランダで始まった。9日までに加盟27カ国で投票を終え、同日夜にも大勢が判明する。EUに懐疑的な右派・極右の伸長が予想され、環境や人権保護政策の見直し機運が強まる可能性がある。今後5年間続くEU次期政権の安定が焦点となる。(日本経済新聞)

前回2019年の選挙でも右派勢力の拡大が予想されましたが、結局は親EU派が議席の3分の2を占める形となりました。
しかし英国による欧州離脱やロシアによるウクライナ侵攻を経て、今回の選挙ではあらためて右派勢力の躍進が予想されています。

｢EU懐疑派｣議会選で勢い、移民制限など主張　6月投開票
欧州連合(EU)の立法機関である欧州議会の投開票が6月6〜9日に迫ってきた。情勢調査によるとEUに懐疑的な右派や極右が支持を広げており、どこまで議席を伸ばすかが焦点だ。移民受け入れの厳格化や環境政策の見直しを主張している。(日本経済新聞)

移民や環境問題を追い風に右派勢力は支持を集めており、3分の1以上の議席を確保できれば立法手続きに待ったをかけることが出来るため、獲得議席数が注目されます。

さらにウクライナ支援の是非を巡る議論も、選挙の争点として注目されています。

ロシア選挙介入警戒、偽情報監視　6日から欧州議会選、EU
欧州連合(EU)は6日から始まる欧州議会選に合わせ、ウクライナに侵攻するロシアによる選挙介入を警戒して偽情報の監視を強化、巨大IT企業に対策の徹底を求めている。
EUの欧州対外活動庁はウェブサイト「EU対偽情報」を運営し、ロシア側によるとみられる1万7千件以上の偽情報の事例を公開している。概要を説明し、実際の事実関係を提示して誤った情報だと理解できるように解説を掲載している。
EUは4月には対策が不十分な疑いがあるとして、フェイスブックとインスタグラムに対する調査を開始。5月にはX(旧ツイッター)に違法コンテンツ拡散などへの対応策を報告するよう要請した。(共同通信)

ロシアによる介入の有無は別として、早ければ週明けにも投票結果が判明する見通しです。
先月末より、新興国の選挙を経てその国の通貨が下落するケースが見られます。
今回の選挙結果の行方によっては、脱EU、反グローバリズムの機運が高まることも期待されます。

特に先月末から続く「選挙」→「通貨安」の流れが警戒されます。