首相訪米時の円買い介入 | 浪風谷本

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▼2022年9月介入

 

2022年9月22日、政府・日銀は24年ぶり(当時)となる円買いドル売り介入を実行しました。

 

24年ぶり円買い介入、「過度な変動は見過ごせず」と鈴木財務相

政府・日本銀行は22日夕、円買い・ドル売りの為替介入を実施した。日米金利差の拡大を背景に急激に円安が進む中、24年ぶりの円買い介入によって過度な円安を阻止する姿勢を示した。

鈴木俊一財務相は会見で、為替市場で投機的な動きを背景に急速で一方的な動きが起きているとし、「投機による過度な変動は決して見過ごせない」と介入の理由を説明した。協調介入かどうかについても明言せず「関係通貨当局とは常に連絡を取り合っている」と述べるにとどめた。

介入額も明らかにしなかったが、神田真人財務官は「隠しきれるものではない規模になっていた」と公表の理由を説明した。145円が防衛ラインとの見方を強く否定し「水準は全く考えていない」と話した。海外市場での委託介入もあり得るという。外貨準備のうち介入にすぐに投入できる預金は1361億ドル(約19.5兆円)。

会見に先立ち神田財務官は同日夕、記者団に政府として為替の「過度な変動を憂慮」しており、「先ほど断固たる措置に踏み切った」と介入を認めていた。(2022年9月22日付ブルームバーグ)

 

円買いドル売り介入は、アジア通貨危機である1998年6月以来のことでした。

 

 

日銀による緩和維持、黒田総裁(当時)による利上げ否定発言などから、ドル円は一時146円90銭まで上昇。

その後夕方5時に介入を実施、ドル円は一時140円35銭まで下落しています。

秋分の日前日のことでした。

 

▼首相訪米時の介入はタブー?

 

8日から岸田首相は渡米しており、14日に帰国予定です。

 

首相訪米、9年ぶり国賓待遇 8~14日、日米比首脳会談など予定
政府は5日、岸田文雄首相の訪米日程の詳細を発表した。訪米日程は8~14日で、10日(日本時間11日)にバイデン大統領との日米首脳会談、11日(同12日)にフィリピンのマルコス大統領も交えた日米比首脳会談に臨むほか、12日にはトヨタ自動車が南部ノースカロライナ州に建設中の電気自動車(EV)向け電池工場などを視察し、日本による対米投資の成果などをアピールする。(毎日新聞)

 

基本的に為替介入は相手国と緊密に連携する「協調介入」がメインと言われているため、首相の訪米中は介入は行われにくいとの見方が一般的のようです。

 

首相の居ぬ間に円安 「為替介入、今はない」と判断?
ニューヨーク外国為替市場で10日、約34年ぶりの円安が進行したのは米国の物価上昇(インフレ)の長期化懸念が広がったためだ。だが、この日は米首都ワシントンで日米トップによる首脳会談が開かれていた。「このタイミングで日本側が為替介入に踏み切るのは難しい」と高をくくった投機筋が円売りを仕掛けた可能性も指摘されている。(毎日新聞)

 

強固な日米同盟関係を世界に発信する舞台に水を差す恐れがあるため、首相訪米時の為替介入は難しいとされています。
岸田首相の帰国は14日予定、それまでの介入はないと見る向きもあるようです。

▼2022年介入は首相訪米時

冒頭2022年9月介入をご紹介しましたが、実はこのときも首相は「訪米」しています。

 

岸田首相が国連で演説、国際秩序回復へ国連は改革と機能強化を
岸田文雄首相は米国時間20日(日本時間21日)、米ニューヨークで開幕した国連総会で演説し、ロシアのウクライナ侵略は国連憲章の理念と原則を踏みにじる行為だと断じ、法の支配に基づく国際秩序の徹底のため、国連の改革と機能強化が必要だと訴えた。また「核兵器のない世界」を実現できるよう、首相自ら強い決意で取り組みを進めていくことも表明した。(2022年9月21日付ロイター)

 

22年9月の介入は、岸田首相が訪米時に行われました。
首相は14日に帰国されますが、22年のような異例の「訪米時」介入が再現されるのか注目されます。
 

 

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