引き締め長期化による「オーバーキル・リスク」 | 浪風谷本

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先々週木曜日の「スイス・ショック」を皮切りに、各中央銀行は政策金利を引き下げる動きが目立ちます。

 

中央銀行

政策

スイス国立銀行

25bp引き下げ

メキシコ中銀

25bp引き下げ

チェコ国立銀行

50bp引き下げ

コロンビア中銀

50bp引き下げ

ブラジル中銀

50bp引き下げ

スリランカ中銀

50bp引き下げ

ハンガリー中銀

75bp引き下げ

 

物価上昇に鈍化傾向が見られ始めたとのことから、利下げに転じる動きが続いています。

一方で米国の政策金利引き下げ期待は後退、しつこいインフレ高止まりから利下げを急ぐ必要はないとの認識が当局者から聞かれます。

 

ウォラーFRB理事、利下げ遅らせるか回数減が適切-最近の統計受け

ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事は27日、最近の経済データでは年内に予想される利下げを遅らせるか、利下げの回数を減らすことが裏付けられると強調し、金利引き下げを急ぐことはないとの認識を示した。

ウォラー理事は最近のインフレ統計には「失望を感じる」と述べるとともに、利下げに踏み切る前に「少なくとも数カ月分の良い内容のインフレデータ」を目にしたいと語った。

インフレ率が2%の物価目標に向けた持続的な道筋にあるとの自信を得るまで、米金融当局には待つ余地があるとするさらなる理由として、力強い米経済や堅調な雇用情勢を指摘した。

ウォラー理事はエコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークでの講演向けに準備した「まだ急ぐことはない」と題した講演テキストで、「最近のデータを受けて、私の見解では利下げの全体的な回数を減らすか、さらに先送りするのが適切だ」と話した。(ブルームバーグ)

 

米当局者からは利下げを急いでいない旨の発言が相次いでおり、「より長く、より高い」金融政策が意識されます。

 

このように米当局は高水準の政策金利を維持する見通しである一方で、新興国は利下げに転じています。

ダイヤモンドオンラインには「新興国はFRBと道連れ?米金融引締め『長期化』でも利下げに踏み切る可能性」と題したコラムが掲載されています。

 

インフレに対するFRBの危機感 景気オーバーキル・リスクも

これまで予想以上に持ち堪えている世界経済に影を落とすのは、米国における金融引締めが長期化し、景気をオーバーキル(過度に減速)してしまうリスクだ。

米国のインフレは、明らかにピークアウトしているが、サービス価格を中心に下げ渋っている。家賃などが利上げによる不動産市場の調整で明確に低下するには時間がかかる。

賃金上昇率も低下傾向にあるが、米連邦準備制度理事会(FRB)を安心させる水準にはほど遠い。FRBはインフレ期待が高まり、賃金と物価の上昇スパイラルに発展すると取り返しがつかないという強い危機感を持つ。そのリスクがなくなるまでは、景気への悪影響を度外視して引き締めを続ける覚悟だ。

 

コラムのなかでオックスフォード・エコノミクスは、FRBが5月に利上げを行った後に、長い据え置き期間に入るとみています。

引き締め期間の長期化により、景気の「オーバーキル」が意識されます。

 

 

2000年以降のFF金利推移ですが、2000年代初頭のITバブル崩壊、その後のリーマンショック、そして記憶に新しいコロナショックはいずれも引き締め後のオーバーキルです。

そもそもインフレピーク後3年以内にもとに戻った事例(過去60年間の主要国77例)は3分の1程度、1年以内に利下げに転じた事例も3分の1だったそうです。

さらに利下げ後、引き締めに逆戻り「しなかった」ケースはわずか5分の1。

つまり再度「オーバーキル」となるか、もしくは利下げに転じた新興国が再び利上げに逆戻りするかのどちらかとなりそうです。

 

 

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