今週の見通し

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谷本　憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定（貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員

＜今週の予定＞
・21日：FOMC(～22日)、春分の日(祝日取引)
・22日：新月
・23日：英政策金利、スイス政策金利

＜CFTC建玉明細＞
金

(直近5週間)

右軸：大口投機玉買い越し

3月7日終了時点のNY金大口投機玉買い越しは98,474枚。

前の週から比べ、10,119枚買い越しが減りました。

1,800ドル割れにトライ、主要限月乗り換えに伴い売り買い増えました。

白金

(直近5週間)

右軸：大口投機玉買い越し

3月7日終了時点NY白金大口投機玉買い越しは5,145枚。

前の週と比べ、152枚買い越しが減りました。

金同様主要限月乗り換えが進んだ週、売り買いともに増加しています。

CFTCとは”US. Commodity Futures Trading Commission”の略で、米商品先物取引委員会のこと。各取引所の建玉明細を開示することを義務付けており、毎週金曜日引け後にその週の火曜日時点の参加者別建玉明細”Commitments of Traders”を公表している。

＜今週の見通し＞
市場を震撼させたクレディスイス問題ですが、週末に動きが見られました。

クレディS買収巡るUBSと当局の協議、時間との闘いに－関係者
スイスの銀行UBSグループと同国の銀行規制監督当局は、苦境に陥ったクレディ・スイス・グループを買収もしくは分割する案を早急に取りまとめるための協議を19日も続けている。20日のアジア市場の取引開始前の発表を目指す。(19日付ブルームバーグ)

日本時間昨晩21時には、次のような報道も。

UBSがクレディ・スイス買収提案、最大10億ドルで－FT
UBSグループはクレディ・スイス・グループを最大10億ドル(約1320億円)で買収することを提案した。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が事情を直接知る関係者4人の情報として19日報じた。
それによると、19日中の取引完了を急ぐスイス当局は、株主投票を経る必要がないようにするため法律変更を計画している。
同買収提案は19日午前に協議され、クレディ・スイス株1株に対し0.25スイス・フラン相当のUBS株で支払う内容だという。関係者によれば、UBSはクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドが100bp以上跳ね上がった場合には取引を無効にする「MAC条項」も主張したという。(19日付ブルームバーグ)

この買収案に、クレディスイスは反対したようです。

UBS提示の買収案、低過ぎるとクレディ・スイスが難色－関係者
UBSグループはクレディ・スイス・グループを最大10億ドル(約1320億円)で買収することを提案したが、クレディ・スイス側は提示額が低過ぎるとして受け入れに難色を示している。事情に詳しい関係者が明らかにした。(19日付ブル－ムバーグ)

一部では、スイス政府によるクレディスイスの一部もしくは全部の国有化も検討されているようです。

スイス政府、クレディS全体もしくは一部の国有化を検討－関係者
スイス当局はクレディ・スイス・グループの全体もしくは一部の国有化を検討している。事情に詳しい関係者が明らかにした。UBSによる買収以外で唯一有力な選択肢として考慮されているという。

一方英FT紙は、「合意」と報道しています。

クレディを20億ドル超で買収　UBS、協議大詰め　スイス政府が重要会見へ・報道
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は19日、スイス金融大手UBSが、経営危機に陥った同業クレディ・スイスを20億ドル(約2640億円)超で買収することに同意したと報じた。

そして先ほど、スイス政府により「買収合意」と報道されました。

UBS、クレディ・スイスを買収　スイス政府など発表
スイスの金融機関最大手UBSは同2位のクレディ・スイス・グループを買収する。スイス政府とUBS、クレディ・スイスが19日発表した。米シリコンバレーバンク(SVB)の破綻で金融システム不安が高まって経営不振のクレディ・スイスの株価が急落し、預金や預かり資産の流出も加速していた。SVB破綻から始まった市場の動揺は、2000年代後半の金融危機以来となる世界的金融機関の再編に発展した。(20日付日本経済新聞)

UBS、クレディ・スイス買収で合意　32億ドル　主要中銀が歓迎
スイスの金融大手UBSは、経営不安が強まっていた同業クレディ・スイスを30億スイスフラン(32億3000万ドル)で買収すると発表した。世界的に金融不安が高まる中、スイス当局の介入で迅速にまとまった大手2社の統合に主要中央銀行は歓迎の意を表した。
買収は株式交換の形で実施し、2023年末までに完了する見込み。(20日付ロイター)

一連の動きによる動きが警戒されます。

注目のFOMCについては、後日掲載いたします。

東京前営業日比