NY銀ポジから見える「引き締め政策」 | 浪風谷本

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商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員

 

日本時間毎週土曜日早朝、全米先物協会より「建玉明細」が公表されます。

それによると、5月10日時点のNY銀ファンドポジションは19,082枚買い越しです。

多いか少ないか、これまでの推移をご覧ください。

 

 

過去5年間のデータですが、最少は昨年9月21日の15,635枚です。

現在の買い越しはこの水準に迫っており、価格は「コロナバブル」安値を更新しています。

明らかに大口投機玉は、NY銀から「撤退」しています。

遅かれ早かれ同水準を下回りそうですが、ここを下回るとどうなるのか。

2019年以前に答えがあります。

 

 

こちらは、2018~19年のポジション推移です。

2019年6月以前は、「売り越し」に転じる場面もありました。

ファンドは最大で28,974枚売り越しています。

価格は10ドル台中盤で低迷しています。

2018~19年はどういう年だったのか…。

 

▼利上げサイクル

 

今回パウエル議長がようやく「正式に」議長に承認されましたが、彼の一期目は2018年2月3日からです。

就任直後の3月FOMCにて新議長は25bp利上げし、FF金利は0.75-1.00%になりました。

おそらく次回6月会合で決まる政策が「1.25-1.50%」です。

つまり政策金利は、「NY銀が売り越しになる水準」へ引き上げられることになります。

2018~19年のFF金利とNY銀大口投機玉ポジションは、このようになります。



 

2019年7月FOMCより、FRBは再び「利下げサイクル」に入りました。

現在はこの逆工程中です。

 

▼NY金は…?

 

「金はどうだったのか?」が気になります。

2018~19年のNY金ファンドポジション推移は、こんなかんじです。

 

 

こちらも2018年秋をピークに、一時売り越しに転じています。

このときのFF金利は2.00-2.25%、今年中にこの水準までは引き上げられるでしょう。

今後も現在19万枚超の買い越しが減ることが期待されます。

明朝の数字にも注目していただければ、幸いです。

 

 

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