注目のFOMCが今朝終わり、米債利回りが再び低下しています。
NY金と米実質金利(物価連動債利回り)は連動して動いていますので、今朝の実質金利低下はNY金のさらなる上昇を招くのではないかと警戒されています。
左軸:NY金($) 右軸:物価連動債利回り(%)(上下逆注意)
NY金は、4月14日に瞬間高値1,788.80ドルを記録。
今回FOMCを受け物価連動債利回りはこのとき以来の水準にまで低下(-0.530%)。
NY金は、時間外で一時1,750ドルにまで上昇しています。
実質金利がマイナスということはどういうことか。
→銀行に預けるより、モノに変えた方が価値が上がる状態。
1億円を銀行に預けても利子は付かないが、1億円の家が10年後に1憶1,0000万になるのであれば、銀行に預けている人にとっては金利がマイナスということ。
マイナス0.5%という水準は、預金から「株や不動産、金」へ移す行動を止める水準なのでは。
実質金利の下限がこのあたりであることを祈ります。
さて本題に入ると、4月中旬以来注目数字がもう一つあります。
「東京金外国経由ポジション」です。
6月1日更新「外国経由ポジは4月14日がピーク」にて、「外国商品先物取引業者経由」のポジション推移をご紹介しました。
カテゴリ |
投資家 |
取次者経由 |
外国業者経由 |
合計 |
||||
売 |
買 |
売 |
買 |
売 |
買 |
売 |
買 |
|
6月8日 |
20,049 |
30,719 |
3,386 |
5,289 |
3,076 |
5,392 |
48,709 |
48,709 |
6月9日 |
19,486 |
31,646 |
3,355 |
5,420 |
3,212 |
5,711 |
50,170 |
50,170 |
6月10日 |
19,934 |
31,256 |
3,451 |
5,308 |
2,637 |
6,136 |
50,055 |
50,055 |
今週の一般投資家、外国業者経由ポジションの推移です。
外国業者買い越しは、2,316枚→2,499枚→3,499枚と増えています。
左軸:東京金(円) 右軸:外国業者買い越し占有率(%)
今朝入電分を考えると、外国業者経由の買い越しポジションは増えていると考えられます。
取組5万枚、占有率10%と考えると、単純に5,000枚くらいの買い越しでしょうか。
昨日と比べて1,500枚ほど増えていれば普通でしょうが、本当に増えているかどうか。
今晩の内部要因は、「外国業者経由」買い越しの増え具合に注目しましょう。
<おまけ>
今朝のFOMCを受けた「2年物-FF金利」乖離とNY金推移。
2年物利回りが低下しないと、NY金は下がりませんね。
明日は「金ローアノマリー」、あの名作が帰ってきます。
お読みいただき、本当にありがとうございます。
清き1票をよろしくお願いいたします。
お問い合わせ Tel:06-6267-2761(平日08:00~17:00)
日本フィナンシャルセキュリティーズ㈱ 谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員