昨年6月20日の東京金は、前日比101円高4,775円にて終了しています。
前日FOMCにおける「利下げサイクルスタート」表明を受けてのもので、その後の米中関係の緊張や米国とイランの対立、そして今回のコロナ騒動を受け、金は上昇を続けました。
NY金も同じ動きです。
そしてNYの場合は、上昇するに連れ取組も増えていました。
ピークは今年1月23日の798,822枚で、おそらく史上最高枚数だったと思います。
ところが価格が下落するに連れ取組も減少、先週末20日時点で553,178枚にまで減少しています。
この取組枚数は昨年6月19日(538,951枚)以来ですが、昨年6月FOMC以降で最低取組となっています。
中身はどうであれ、昨年6月から続いた上昇について、取組面からは一服となりそうです。
昨年5月末の45万枚当たりがターゲットになるでしょうか。
取組の減少に伴い、大口投機玉による買い越しも減っています。
日本時間先週土曜日早朝、CFTCより公表されたNY金大口投機玉買い越し枚数は281,916枚。
前週と比べ17,615枚減、とりあえず2020年の最少枚数更新です。
冒頭で「総取組の減少」を指摘しましたが、総取組に対する比率はどうなっているのか。
最新は3月17日時点のデータですが、総取組573,925枚に対して買い越しは281,916枚。
大口投機玉による買い越し占有率は49.12%、今年2番目の高さです。
取組が減っている割に、大口投機玉はあまり買いを降りていないことになります。
市場規模が縮小傾向にあるなか、ファンド買いの比率が高くなっています。
ピークである2月18日から比べ、取組、買い越し同じように2割ずつ減っています。
つまり大口投機玉は本格的に降りておらず、これから降りると考えられます。
特に5割近い占有率なので、降りるとなると値動きも早そうです。
とはいえ現状高値から1,000円下落しているので、戻り余地も十分にあります。
5,400円まで、5,500円まで、それぞれ資金配分を考慮し、なんとか付いていきましょう。
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日本フィナンシャルセキュリティーズ㈱ 谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員