通常米商品先物取引委員会(CFTC)より公表される建玉明細は、NY金曜日通常取引引け後に公表されます(日本時間土曜日早朝)。
先週発表分に関しては感謝祭の影響で、NY月曜日引け後、すなわち今朝更新されました。
金以外の貴金属には大口投機玉の買い越し増が確認されましたが、今回は白金を取り上げたいと思います。
今回発表されたNY白金CFTC建玉明細は、次の通りです。
Date |
NY白金 |
総取組高 |
大口買い |
大口売り |
買い越し |
11.19 |
912.30ドル |
88,395枚 |
55,333枚 |
13,248枚 |
42,085枚 |
11.26 |
911.70ドル |
90,498枚 |
55,843枚 |
10,774枚 |
45,069枚 |
値段はほとんど動いていませんが、取組が増え、売りが減りました。
買い越しは45,069枚へと増え、11月5日45,695枚以来の水準となりました。
ここ数年では11月5日に続き、2番目となる買い越し枚数の多さです。
前回CFTC白金を取り上げたときにも指摘した「ファンド買い越し」が多すぎる件ですが、現状も特に変わっていないと言えるでしょう。
ファンド買い越しが総取組に占める「占有率」も49.80%にまで上昇、ここ数年間で最高です。
また、前回同様「NYプラス東京」にも注目すると、次のようになります。
11月26日(東京は27日)時点で、「NYプラス東京」は34,263枚。
買い越し枚数の多さにも注目ですが、加えて「買い越し期間」にも注目。
9月3日に買い越しに転じて以降、先週で買い越し期間は13週目。
前回売り越し期間は15週(買い越し1週間を含む)、その前の買い越し期間は12週間。
さらにその前の買い越し期間は12週間で、メリマンのプライマリーサイクル(PC)に近いです。
NY金PCは16±3週間なので、そろそろNY白金買い越しが一気に減りそうな時間帯です。
ここまで並べ立てると下げを期待できそうですが、当然懸念もあります。
南アランドです。
(右軸:USD/ZAR 上下逆注意)
現在ドルランドが低下、すなわちランドが上昇しており、約4カ月ぶり高値です。
おそらくランドの上昇がNY白金を底堅く推移させており、なかなか下を割ることが出来ません。
ランドの強さは米中改善期待が背景と思われますが、ランド相場の動向にも注目しましょう。
お読みいただき、本当にありがとうございます。
清き1票をよろしくお願いいたします。
お問い合わせ Tel:06-6267-2761(平日08:00~17:00)
日本フィナンシャルセキュリティーズ㈱ 谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員