今後の東京金について、「下値抵抗候補」「先2本サヤ」「金白金サヤ」「マーケットメーカー」「ビットコイン」の観点から、考察を加えようと思います。
<ファーストインパクト、セカンドインパクト>
本日の東京金先限は、73円安4,812円にて終了いたしました。
先週末の米中、米朝首脳会談を好感し、安全資産として買われてきた上昇が一服しました。
6月26日更新記事「東京金(魔の)1週間をダイジェストで(下値抵抗は?)」を元に、あらためて下値抵抗候補を考えます。
本日東京タイム日中に記録した安値4,817円は、先週月曜日(6月24日)以来のことです。
先週月曜日といえば、東京金プライス・スキャンレンジが1.5倍へと引き上げられた日です。
6月24日の東京金は午前中4,850円にまで上昇しましたが、午後からは売り買い交錯の結果、4,838円にて終了しています。
この日の東京金一般投資家ポジションは2,892枚売り越し増ですので、24日午後の4,820~4,840円ゾーンは売り込みと考えられます。
21,263枚売り越しで終了したこの日の一般ポジションを本日以降下回ることが出来るなら、このゾーンの次が期待できます。
次のゾーンについては、「99人の壁」ならぬ「3万枚の壁」が2ヵ所存在します。
6月21日10時からの2時間と、6月20日10時台です。
時間帯 |
出来高(枚) |
価格帯(円) |
一般投資家動向 |
06.20 10:00 |
31,426 |
4,733~4,807 |
売り |
06.21 10:00 |
12,518 |
4,790~4,823 |
売り |
06.21 11:00 |
18,272 |
4,819~4,846 |
売り |
注:一般投資家動向は、該当時間帯を含んだ当日の動向
6月FOMC明けの20日をファーストインパクト、21日の第2弾をセカンドインパクトと勝手に決めましたが、まず本日はセカンドインパクト・ゾーンに突入してまいりました。
セカンドインパクト・ゾーン突入当日の一般ポジションは、18,371枚売り越しです。
本日の内部要因をご確認ください。
特に6月20,21日当時先限であった4月限取組の減り具合にも注目です。
<先2本サヤ>
本日も、先週末も日中取引において、先2本の価格差がほぼフラットでした。
先限がよく買われている証拠でしょう。
<東京金白金サヤ>
本日の東京金は4,812円、白金は2,922円にて終了しており、金白金サヤは1,890円になっています。
10連休入り突入前に1,340円にまで縮小していた金白金サヤでしたが、再びサヤ拡大に転じた結果、前回記録1,857円を突破、6月25日には取引所開所以来の記録2,079円にまで拡大しています。
また6月20日記事「金白金サヤはそろそろピークか」にて触れた買い越し比率サヤですが、ピークは6月26日の99.94%です。
一般投資家のうち東京金を売っている人の割合と東京白金を買っている人の割合を足すと99.94%ということは、感覚的には一般のほぼ全員が金売り白金買いポジションだと考えられなくもありません。
100%近い数字は、いったんのピークだったのかもしれませんね。
<東京金マーケットメーカー>
東京金が大きく上昇し始めた6月20日以降東京金マーケットメーカーは売り越しに転じていますが、先週末6月28日に56枚買い越し→894枚買い越しと大きく動きました。
こちらに関しては、これからの追跡事項となりますが、下げの暗示だったのかもしれません。
<BTC>
東京金とともに上昇が注目された銘柄が、ビットコイン(BTC)です。
1BTC=60万円あたりで推移していましたが、令和への改元後徐々に上がり始め、6月中旬から一気に140万円台へと駆け上がりました。
東京金が大きく上昇し始めた時間帯とほぼ一致しており、今回はビットコインも「安全資産」として買われた側面もあったようです。
執筆時点(本日12時30分)で1BTC=120万円となっており、高値から約17%下落となっています。
東京金も17%の下落となるでしょうか(4,932円X17%=838円)。
今晩の東京金一般投資家が、6,000枚売りポジションを減らしてくれているかどうか。
取組、内部要因とは別に、米中、米朝会談の賞味期限についても考える必要があるでしょう。
FRBによる利下げの確率にも注意が必要です。
いろいろと考えましたが、「普通は下やろ」という結論です。
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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、農産物、オプション)、証券一種外務員