利上げ打ち止めによってもたらされたもの(2006年) | 浪風谷本

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昨日夕方記事「逆イールドの要因は?」の続きです。

 

昨日の要点

・金利差が逆転する背景には、①デフォルト懸念、②利上げ局面、③景気先行き懸念のいずれか

・米国のデフォルトは考えられないので、トランプ大統領誕生以降の金利差縮小要因は②

・最近③の芽も出てきた

・2006~2007年を検証する必要あり

 

まずは2006~2007年のFOMCについて、簡単にまとめました。

 

開催日

政策金利

メモ

2006.03.28

4.75%

新議長ベン・バーナンキ

2006.05.10

5.00%

 

2006.06.28、29

5.25%

 

2006.08.08

5.25%

連続利上げが17回で終わる

2006.09.20

5.25%

 

2006.10.24、25

5.25%

 

2006.12.12

5.25%

 

2007.01.30、31

5.25%

 

2007.03.20、21

5.25%

 

2007.05.09

5.25%

 

2007.06.27、28

5.25%

 

2007.08.07

5.25%

 

2007.08.17

5.25%

公定歩合緊急利下げ(6.25%→5.75%)

2007.09.18

4.75%

 

2007.10.30、31

4.50%

 

2007.12.11

4.25%

 

 

このあとも利下げが続き、2016年12月会合にてFRBはゼロ金利政策へと突入します。

 

来年の利上げペース鈍化が囁かれている現在、相場環境は2006年前半でしょうか。

2006年の国債利回り、利回り格差はこのようになっています。

 

 

最後の利上げは2006年6月ですが、驚いたことに6月会合当日も4bp逆イールドだったのに利上げを敢行しています。

今月会合時にもし逆イールドになっていたとして…、今月だけは続行かもしれませんね。

この期間中のNY金は次のようになっています。

 

 

最後の利上げの後、NY金は7月14日に高値666.6ドルを記録。

その後は金利も低下、利回り格差は再縮小、そしてNY金は再び500ドル台中盤まで下落しています。

さらにこの期間中、ドル円は円安へと振れています。

 

 

上記は週足ですが、利上げを止めないといけない経済見通しにより株価なども調整、ドル円も5月前半に112円台前半まで下落しましたが、その後は利上げ打ち止め好感相場へと移行しています。

小泉→第一次安倍政権となったのもこの時期で、東京市場は見事「ライブドア・ショック」を乗り切っています(1月4日記事「戌年始まる」参照)。

東京金も円安に連れ高となっています。

 

以上「景気先行き不透明→債券買い利回り低下→利回り格差縮小」の先輩である2006~2007年を振り返っていただきましたが、結局は引き締めからの解放感が確認されただけでした(リーマンへ続く?)。

 

今回はバランスシート縮小の継続と世界的な政治、通商不安から円高予想です。

 

[ワシントン/上海 6日 ロイター] - カナダ司法省は5日、中国通信機器大手、華為技術ファーウェイ)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)をバンクーバーで逮捕したことを明らかにした。

 

冬の御堂筋名物「黄色いじゅうたん」です(台風の影響で、ややさみしい)。

 


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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、農産物、オプション)、証券一種外務員