少し前の話になります。
10月3日のNY市場で、金は4.10ドル安1,202.90ドル、原油は1.19ドル高76.41ドルとなりました。
我々が生業とする商品市場において金、原油は看板商品ですが、今年に限ってはこの2商品の明暗が分かれています。
原油は4年ぶり高値を越える水準での取引が続く一方、金は1年ぶり安値近辺で低迷しています。
当サイトは貴金属を中心に相場分析を行っていますので、金/原油を見てみますと次のようになります。
冒頭10月3日時点の金/原油は15.7427となっており、今年の最低記録となっています。
この数値は歴史的にどのあたりになるでしょうか。
当然ですが、原油価格低迷、金価格上昇時に金/原油は大きくなります。
過去25年を月足ベースで確認すると、最低は2008年8月6.615714、最大は2016年2月36.56となります。
先週木曜日のNY金急騰で数値は17.3近辺まで戻していますが、今のところ金/原油は低下中にあります(原油価格は高値維持、金価格は低迷)。
これが何を意味するのかというと、ズバリ新興国経済への下押し圧力です。
つまり金価格低迷から分かる「ドル建て負債の増大」と、原油価格上昇による新興国経済への打撃です。
2018年NY金/NY原油に新興国通貨を併せると一目瞭然です。
数値が近いのでここではトルコリラ円を取り上げました。
金/原油の数値低下と、トルコリラ円の下落は表裏一体と言えます。
1990年代のトルコリラ円は5ケタでしたのでここではリーマン前から掲載しています。
金/原油の上昇サイクルは終了しているのかなぁというかんじはします。
7月17日記事「同日NY原油高値更新NY金安値更新」(ここで貴金属買い撤退としていました)で触れた「(諸悪の根源)ドル高」が終了しない限り、ドル不足が解消されない限り、サイクルの反転はないと考えられます。
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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、農産物、オプション)、証券一種外務員