アメリカのトランプ大統領は4日、ツイッターで次のように述べました。
「(略)中国の株式市場は過去4ヶ月で27%下落し、わが国に話し合いを持ちかけている。米国の相場は過去最高に高い。」
たしかに米国相場は高値水準を維持している一方で上海市場の下落は大きく、上海総合指数は2月2日の高値から一時約25%下落しています。
このように米国が買われ新興国資産が売られる傾向が続いていますが、東京金に対してはどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
以下は貿易摩擦懸念が表面化しはじめた今年3月以降のダウ、上海総合指数の動きです。
特に独立記念日以降、ダウと上海総合指数の乖離が大きくなりました。
ダウ/上海総合指数にして、東京金を重ねてみました。
ダウ/上海が9を越えると東京金の下げがきつくなるため、今年に関しては素直な反応と言えます。
「今年に関しては…」としたのは当然例外もあるわけで、直近の「上海ショック」を検証します。
2015年
上海は史上最高5,166から43%下落、基本的にはダウ/上海の上昇に伴い、東京金は下落しました。
2016年
この年も上海市場は約20%の調整が見られましたが、ダウ/上海の上昇に伴い、東京金も買われました。
これについてはいくつか要因がございますが、一つは1月6日の「北朝鮮による核実験」でしょう。
北朝鮮は6日、水爆実験に成功したと発表した。同国の国営メディアが報じた。
朝鮮中央テレビのアナウンサーは緊急発表で、「共和国の最初の水爆実験が2016年1月6日午前10時に成功裏に終わった」と述べた。(BBC)
この日の東京金は54円高にて引けています。
そしてもう一つの要因が、1月29日の「日銀マイナス金利導入」です。
日銀は29日の金融政策決定会合で、従来の年間80兆円の国債など資産買い入れに加え、金融機関の手元資金である当座預金の一部金利をマイナスにする新手法を導入する形で追加緩和に踏み切った。(ロイター)
当日の日経平均株価は600円上昇後に一転して270円安まで下落、最終的には450円高と乱高下。
東京金先限も54円高、4,295円にて終了しています。
今のところ2016年のような特殊要因は見られませんので、基本的にはダウ/上海の上昇に伴い、東京金も下落しやすいと言えます。
反面、リスク回避の買いが入りやすいとも言えますので、日々「ダウ/上海」はチェックしています。
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谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、農産物、オプション)、証券一種外務員