原油のジレンマ | 浪風谷本

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今朝の話をまとめると…

 

「実質金利が下がると金価格は上がりやすく、実質金利が上がると金価格は下がりやすい」(前提)

     ↓

実質金利=名目金利-期待インフレ率

     ↓

期待インフレ率は原油価格に連動しやすく、現在の原油価格は上がりにくい

     ↓

おそらくFRBは利上げする、すなわち名目金利は上がる

     ↓

(おまけに北朝鮮リスクプレミアムもついているから金価格は割高)

     ↓

よって「名目金利-期待インフレ率」の値は大きくなりやすいから、実質金利↑金価格↓

 

イチャモンをつけたいからこの話題を取り上げたわけでは決してなく

当サイトでも一時この問題にかなり悩んだからです。

それは「原油価格上がらないのであれば、インフレ率も上がらず利上げ無理」説だからです。

これは7月26日記事「僕が金を売らない理由」にも書きましたので、ご参照ください。

当時原油、金ともに上がる相場観でしたが、表題にある「原油のジレンマ」に悩んだのです。

すなわち朝の方の理論だと、「原油価格が上がらずインフレ率も上がっていないけど、

FRBは低インフレは一時的なものと判断して利上げし、ついでに北朝鮮問題も収まる」

というシナリオのもと金価格が下がるということになります。

もしくは「原油価格は上がらないけどインフレ率が上がるから利上げする」でしょうか。

どちらにしてもこのケースに該当するのは、「僕が金を売らない理由」③に併記した内容です。

つまり「イエレン議長の花道を飾る」場合でしょうね。

 

一方で前日の方は「労働市場情勢指数未発表問題」に触れており、

うがった見方をすると利上げに不都合なデータだから今月発表しないのではとの見解でした。

労働コストの低下で、インフレ率2%なんて無理じゃね?とのことです。

 

現状は「インフレ率は上がっていないし、北朝鮮問題も収まっていない」のです。

特に日本に住み、東京市場を主戦場とする我々にとってはもっと深刻です。

「黒田に出口なし」とまで言われている日銀緩和と、距離わずか数百キロの北朝鮮リスク。

世界でもっとも金が下がりにくい市場かもしれません。

とはいえ昨日は12月限や2月限の買いが助かったので、だいぶ降りてしまいました。

最後はややイチャモンっぽくなってしまいましたね。

申し訳ありません。

 

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日本フィナンシャルセキュリティーズ㈱

谷本 憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定(貴金属、石油、オプション)、証券一種外務員

 

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