近年、再婚家庭が増える中で、連れ子を育てるケースも多くなっています。親子として一緒に生活していく中で、法律上の関係があるかどうかは、見過ごされがちです。しかし、連れ子を養子縁組していないと、思いがけないトラブルが発生することがあります。今回は、その代表的な例をご紹介します。

 

1. 相続に関するトラブル(子供) 

 

養子縁組していない場合、連れ子は法律上、義理の親の相続人にはなりません。たとえば、義理の親が亡くなった場合、連れ子には相続権がありません。これにより、義理の親と長年共に生活し、経済的にも支えてきたにもかかわらず、遺産を相続できないという事態が起こり得ます。

 

例えば、連れ子としては、実父の財産の大半を、義理母が相続した場合、義理母の死亡した場合に連れ子に相続権がありません。結果的に父の遺産を相続できない自体となります。

 

2. 法的な扶養義務がない(義理の親・子供) 

 

養子縁組をしていない場合、義理の親には連れ子に対して法的な扶養義務がありません。これは、経済的支援や教育費の負担などが法律的に求められないことを意味します。また逆に義理の親が年老いてしまって時に、連れ子には義理の親を扶養する義務が無いということになります。

日常生活では支援が行われているかもしれませんが、法的には連れ子は「他人」のままです。

 

3. 離婚後の関係が曖昧になる(義理の親) 

 

再婚相手と離婚した場合、養子縁組していない連れ子との関係は法的に完全に解消されます。これにより、親子関係が続かず、長年共に生活した子供との関係が断たれる可能性があり、感情的な問題を引き起こすことも考えられます。

 

4. 学校や病院での手続き(義理の親) 

 

日常生活でも、法的な親子関係がないことで不便が生じることがあります。たとえば、学校や病院での手続きにおいて、義理の親連れ子法的保護者として認められないケースがあるため、手続きがスムーズに進まないことがあります。

 

養子縁組を検討することの重要性 

 

連れ子との関係が長く続く場合や、家族として一体感を持って生活するためには、養子縁組を検討することが重要です。養子縁組をすることで、法的にも親子としての関係が確立され、上記のトラブルを回避できるだけでなく、家族としての一体感も強まります。

 


このように、連れ子を養子縁組しないままにしておくと、法的な問題が発生することがあります。今一度、ご家族の将来を見据えて、適切な判断をすることが大切です。