私たちは時折、物を忘れることがあります。例えば、買い物リストの中の一つを忘れたり、大事な約束を思い出せなかったりします。これが年齢による単なる物忘れなのか、それとも認知症の初期症状なのか、心配になることもあるでしょう。今回は、物忘れと認知症の違いについて、解説します。

 

  物忘れと認知症の違い

 

物忘れは、誰にでも起こりうる自然な現象です。年齢とともに記憶力が低下し、忘れっぽくなることは珍しくありません。しかし、認知症による物忘れは少し異なります。以下の表で、その違いを見てみましょう。

 

加齢による物忘れ 認知症による物忘れ
物忘れの自覚がある       物忘れの自覚はない
ヒントがあれば思い出せる ヒントがあっても思い出せない
感情面に変化は無い  感情的になりやすい
日常生活に支障はない 日常生活に支障がある
日時を覚えている 日時を忘れる
判断力は低下しない       判断力が低下する。

 

  物忘れを軽視しないで

 

物忘れが増えてきたと感じる場合、それが加齢によるものなのか、認知症の兆候なのかを見極めることが大切です。

 

特に、「物忘れの自覚があるうちは心配ない」と言われていますが、これは必ずしも正しいとは限りません。なぜなら、軽度認知障害の段階では、自覚症状があることが多いためです。

 

  予防と対策

 

認知症の発症を防ぐためには、早期からの対策が重要です。以下のポイントに気をつけましょう。

  1. 定期的な健康チェック:定期的に医師の診断を受け、認知機能の状態をチェックしましょう。
  2. 生活習慣の見直し:バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、脳の健康を保ちましょう。
  3. 社会的活動への参加:趣味や地域活動に参加し、社会とのつながりを持つことが大切です。
  4. 新しいことに挑戦:新しい趣味や学習を始めることで、脳を活性化させましょう。

 

  まとめ

 

物忘れは誰にでもあることですが、その頻度や内容によっては、認知症の前兆かもしれません。自覚があるうちに予防策を講じ、健康な脳を維持することが大切です。早期発見・早期治療が、生活の質を保つ鍵と言われています。

 

この記事が、皆さんの健康維持に役立つことを願っています。日常生活の中での些細な変化にも注意を払い、心身の健康を大切にしていきましょう。