自分の家の家系図を作成したいと思ったことはありますか?

 

その場合、真っ先に浮かぶのが戸籍謄本です。戸籍謄本の取得がないと、祖先の生い立ちなどを確認することができません。

 

ただし、ここで問題があります。そもそも、戸籍謄本は誰がどこまで請求できるのか?

 

これは法律で定められています。戸籍謄本を請求できるのは、戸籍に記載されている本人、またはその配偶者、直系親族(両親・祖父母・子・孫)に限ります

 

直系親族以外の戸籍(例えば兄弟姉妹の戸籍)が必要な場合は、第三者としての請求となり、正当な理由がないと取得できません。つまり、家系図を作りたいという個人的な願望では正当な理由にはなりません。

 

 

以前は、行政書士が家系図作成代行の業務を行っていることもありましたが、これについてはグレーゾーンと言えます。

 

  法務省の公式見解

 

行政書士が「家系図作成」を目的として傍系(兄弟姉妹・叔父叔母等)血族の除籍謄本を請求することは、職務上の請求に該当しないため、本件請求には応じるべきでない。(法務省発簡「平成9年6月3日民二第970号回答書」)

 

  最高裁判所の判決

 

職務上請求書の使用は行政書士法第1条の2第1項に規定された独占業務以外には適用されません。つまり、観賞用の家系図作成業務は独占業務ではなく、職務上請求書の使用は認められません。 (平成22年12月20日の最高裁判所判決)

 

上記の通り、家系図作成においては直系の血族以外の戸籍謄本を取得する根拠はありません。

 

よって、

  1. 原則として、相続が発生した時などに取得した戸籍謄本を基に家系図を作成することになります。
  2. また、直系家族(両親・祖父母・子・孫)であれば戸籍謄本の取得が可能ですので、その範囲の家系図を作成することができます。

 

 

 

家系図を作成する際には、法律に触れる可能性もあるので慎重に対応してください。