離婚は、夫婦間の感情の問題だけでなく、経済的な側面も大きく関わってきます。特に、長年にわたる結婚生活の中で蓄積された資産の分配は、離婚を考える際の重要な要素の一つです。その中でも、特に注意を払うべきが年金分割です。この記事では、離婚時の年金分割の基本と、その手続きについて解説します。

 

  年金分割の基本

 

年金分割とは、離婚に伴い、配偶者がこれまでに積み上げた公的年金の権利を分割する制度です。これにより、専業主婦や収入の少なかった配偶者も、離婚後の生活において一定の経済的保障を得ることができます。

分割対象となるのは、厚生年金保険です。具体的には、結婚期間中に夫または妻が働いていた期間に納めた年金が対象となります。

 

  分割比率

 

年金分割の比率は、原則として結婚期間中に積み立てられた年金額を基に、2分の1で分割されます。ただし、双方の合意により、分割比率を変更することも可能です。

 

  手続きの流れ

 

  1. 年金分割のための情報が書かれた「情報通知書」を年金事務所に請求し、受け取る。

  2. 夫婦で分割の割合を話し合う。話し合いができない場合は、家庭裁判所への審判や調停、または離婚訴訟における手続きによって按分割合が決定されます。

  3. 「標準報酬改定請求書」などの必要書類を年金事務所に提出する。詳しくは年金事務所に確認してください。

  4. 書類が受理されると、日本年金機構から分割される年金額の通知が届きます。この通知を受けた後、具体的な年金受給の手続きを行います。

 

  注意点

 

➀年金分割の申請は、離婚成立後2年以内に行う必要があります。

➁分割される年金は、受給資格が生じる年齢に達した時点で、それぞれの配偶者に支払われます。

配偶者が厚生年金に加入していないともらえません

 

  まとめ

 

離婚時の年金分割は、将来の経済的安定に大きく影響します。適切な手続きを行い、公平な分割を実現することが重要です。不明点がある場合は、離婚に強い弁護士に相談することをお勧めします。夫婦間の不公平を無くための制度ですので、是非活用してくださいね。