遺留分の計算するときに過去に法定相続人に対する生前贈与「特別受益」として「持ち戻し」計算の対象となります。

その期間は、被相続人の相続開始前10年間にしたものに限定されています。

 

 

「特別受益」とは、相続人が、被相続人から遺贈や婚姻費用等として多額の生前贈与を受けた利益のことです。(遺産の前渡し)

 

「持ち戻し」とは、特別受益を、遺留分の計算に加算したうえで、遺留分を計算することです。

 

つまり、10年以上経過した生前贈与については、遺留分の計算に加算することはありません。

 

 

たとえば、

きょうだい(長男、長女)の関係性が悪く、長男がその家の財産(父の財産)を引き継ぎたいと考えている場合は、父が元気でなるべくのうちに(例えば65歳)、父⇒長男に、その家の不動産を生前贈与を受ければ、父の死亡(例えば80歳)後にも、その生前贈与は、遺留分の対象になりません。

 

 

注意点

父母⇒長男への贈与税の申告がありますので、

その負担は考慮しながら進めてください。

 

 

実際にきょうだいの関係性や親子関の関係性が悪いところでは、

問題になる前に早めに贈与を実施することがあります。

 

もちろん、贈与税の負担はありますが、それ今からの運用で十分カバーできることがあります。

 

ぜひ、きょうだい間の紛争性が高い場合は、遺留分にも注意して生前贈与を検討してください。