8月・・・



もうこのときは、今が何月なのかもよくわかっていなかった。



体も、心もやせ細っていた。



お金があれば、ホストクラブへ通っていた。



といっても、別に高いボトルをいれたりするわけでもない。



ただただ、家にいたくないから、時間をもてあましていた。




一人になりたくなかった。



そしてついに、私は入ってはいけない領域にまで踏み込んでしまった。



アダルトビデオ・・・



たまたま駅でスカウトされ、私はお金のためにとびこんだ。



だけど、撮影したのはJKもののパンチラV.



単体物と違って、何十万も入るような仕事ではない。



せいぜい3万がいいとこ。



でも、たとえ腐りきった世界でも、自分が必要とされることには、なんだかいい気分になった。



普段は歌舞伎町のキャバ嬢。



人見知りで無愛想な普段の自分はそこにはいない。



だけれど、実際に接客をしているのは、私ではない別人格。



私の病名は、多重人格障害。



医師からもそう診断され、この段階で自分の中には、私を除く2人が存在していた。



おかげで私は店で2位の成績だった。




けれどもう、私は自分がなんなのかすらも、わからなくなっていた。



ただただ金を稼いでいた。




あの手紙に、めぐり合うまでは・・・



☆ALICE☆



埼玉の仕事を引き上げ、新たに東京の中でも最大規模の営業所へ配属された


支店が変わればルールも変わる


持ち前の頭の回転とPCの技量でどうにか追いついてはいたが、なかなか難しいものだった



このとき俺は死ぬほど帰りたくなかった



家では幽閉も同然


家の構造を図解する



     (トイレ)

和室⇒<廊下>⇒⇒⇒<納戸兼和室>

     (和室)


窓は北側に一つ小窓に格子付き

親戚からの完全監視状態


めっちゃうぜえ



このころは仕事が忙しすぎたから何も感じることもなかった。


ただ、嫌な予感がしていた


当たるほうの嫌な予感・・・。



それが俺サイドの7月

7月・・・夏の割りには、たいして暑くなかったような気がする。



もともと私の体温が高いせいなのか、それとも精神がおかしくなっていて、新陳代謝も狂ってしまったのかはわからない。



このころの私の体重も、異常な数値だった。



37キロ・・・



身長は160センチある。



もうほんとうに、がりがりの骸骨のような形相だったことだろう。



でも、私は生きていた。



どうにか、気力で。



5月に職場のなかのいい人を失った。



自殺したのだ。



自宅の庭で、首をつって。



私と同じ、うつ病を患っていた。



死にたい、といわれたとき、私は何もいえなかった。



自分もそう思っていたから。



最後にメールを送ったのは私だった。



その翌日のことだったから、私はなおさら罪悪感を感じて、死への願望を募らせていった。



お金が精神安定剤。



生きるしかばねと化していた。



☆ALICE☆