どこかバラバラ?

先日政府はコロナ禍のため、オンラインでの学習を余儀なくされている児童生徒全員にPcまたはタブレットを無償配布したとその大判振る舞いを誇らしげに報告した。たしかに大英断だったことは認める、ところが下々の庶民の実情を知らされた政治家たちは愕然とさせられたのだ。実は自宅ではワイファイを利用できない子供たちの存在を政治家たちは全く予想だにしていなかったのだ。結局、彼らは環境の整った場所を確保することから始めねばならなくなったというなんともお粗末な話である。

政治家たちは思いつくままに壮大なプロジェクトの青写真を描くことができるが、その青写真に従って実現するほうは一大難事業だろう。責任者は急ぎ自分の息のかかった専門業者に丸投げ,下請け以下多数の孫受け業者に業務委託を行った挙句、なんとかデジタル化の体裁を整えられたように見受けられるが、急こしらえのせいか、あちこちでトラブルが発生。発覚していない被害も発生しているらしいが、ともかくも一応の体裁は整い、政府もこれで世界のデジタル後進国の汚名を払拭できると一安心のように見受けられる。

ところが、この社会構造を下支えする庶民の間ではいまだにネット環境にすらアクセスできない人々も多数存在しているのだ。政府の意図するネット上での事務処理を利用したくともできず、旧態依然たるやり方で事務処理を行っている実例は私自身の身近でも決してレアケースではないのだ。

たとえば、私が利用しているヘルパ サービスに関しても、ヘルパ派遣業者との間で定期的に必要な書類、たとえば毎月の請求書、サービスの内容、などなどが正副二通の書類で交換される。勿論、それには署名と捺印とが不可欠だ。政府の意図する事務処理の流れは、業者側が各利用者に必要書類をメールで送信すればすむはずである。ところが利用者の大部分はメールのやり取りができないのだ。ではファックスでも使えればと考えても、今の世の中では家庭でファックスを使用することはほとんど無く、必要があればコンビニに頼る時代である。そこでやむなく事業所の担当者がわざわざ各利用者の自宅を訪ね、署名と捺印をもらい、やっと必要書類の交換が無事終了となるのだ。

こうした利用者たちにもネット環境を整備できる日がくるにはまだまだ遠い先の話ではないだろうか。

このような実情を考えると、現在のデジタル社会が砂上の楼閣に思えてしまうのは私だけだろうか。