賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第313話『女神』感想 ~待てばカイジの日和あり~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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前回、波乱の一夜が明け、勝負の通勤ラッシュに突入しました。
人通りの多いこの時間帯は、カイジにとっては脱出の絶好機。
 
遠藤たちも居住者リストを携えて警戒に当たりましたが・・・

ラッシュがひと段落し、40分が経過しても手掛かりは得られませんでした。
 
しかし・・・遠藤としてはこれは想定内。
むしろ順調に事態が推移した結果だと捉えていました。
 
そろそろ次の作戦へ移ろうとしていた頃・・・
突如、問題のおばさんが帰宅して来ました!(;゚Д゚)
おばさんは踊り場で屈むことなくも3階へ。
昨日のおばさんは2階で姿を消していますから、もし同一の住人とすれば矛盾します。
 
つまり・・・顔もさることながら、行動的にも別人。
よって、本丸である昨日のおばさんは、一度も外出せずに団地に籠っている事となります。
 
もしそれがカイジとするなら、昨夜に張り込みが強化されたことも確認しているはず。
そしてロックオンの対象となった場合、打開策は2つだけ。
 
Aパターンは、通勤ラッシュに紛れての突破ですが・・・遠藤たちは確認できず。
残るはBパターン、耐久戦へ持ち込む籠城しか考えられません。
本来、見張りはその存在を気付かれてはなりません。
しかし・・・敢えて遠藤は正面側に2台、ベランダ側に1台のクルマを堂々と停めさせました。
 
つまり分かりやすい形でのプレッシャーを与え続けることで、見張りが付いている間は突破が不可能であることを刷り込ませたのです。
 
遠藤が深夜のクルマの中で、追々話すとしていた策とはこの事。
深夜にこそ手を抜かずに目を光らせ、カイジを軽々に出さないよう縛り付けました。
 
ただ・・・限りなくカイジくさいとはいえ、
謎のおばさんが住人ではなく、居住者の知り合いで一晩泊まっているだけの可能性も残っています。
 
その場合、下手に踏み込めばカイジの母親に通報されるだけ。
遠藤がまだ動かないのは、その一片の紛れを警戒している為でした。
 
言うなら お宝の王冠
突破する方法はただ一つ、待てば海路の日和あり。
 
こちらから手出しが出来ない以上、カイジ側がセキュリティーを解除するのを待つしかない。
部下たちは悠長な考えに不安を隠せませんが、遠藤の読みではあと数時間でそれは訪れるとのこと。
 
そして・・・約2時間後。
午前9時となり、団地には昼班の見張りが到着。
居残りの4人からここまでの経緯の説明を受けていると・・・
 
遠藤の言葉通り、その時が来ました・・・!
お母さんは普段通りに、近くのスーパーへバイトに向かいました。
 
もしカイジが潜んでいるとしても、イレギュラーが起こらぬように母親の生活サイクルは変えさせないはず。
身を隠す側としては、ヒントを与えない当然の配慮と言えます。
 
これこそが籠城作戦の持つウィークポイント。
カイジにとっては母親こそがセキュリティーの鍵であり、命綱。
遠藤たちの動きを止めるジョーカーだったのです。
 
つまり・・・もし踏み込んだ時に母親に対応されるとなれば、直接の通報はもちろん、泣き叫ばれての近隣住民からの通報があり得ます。
 
しかし、カイジのみであれば構う事はない。
なぜなら今警察に関わりたくないのはカイジも同じですから、踏み込めば力づくでも粛々と捕らえることが出来るでしょう。
長い忍耐を経て、遠藤は決断。
満を持して・・・その魔の手が実家へ伸びようとしています。
 
 
ただ、前回予想したカイジと保の入れ替わりが真実とするなら、今回の冒頭で帰ってきたのも保。
カイジの真向かいの部屋に住んでいる訳ですから、3階に上がって行ったことも矛盾しません。
 
遠藤がそこからの考察により、カイジの作戦を籠城と確定させたことからも、保が帰還するタイミングを含めた全てがカイジによる誘導。
お母さんの安全を考えて、外出している間に隙を作る罠を仕掛ければ、危害を加えられる心配はないという判断でしょう。
 
そうなれば遠藤は完敗ですが・・・果たして。
籠城を巡る攻防は、遂に最終局面へと動き出しました・・・!
 
・週刊ヤングマガジン№17(2019/03/25号)より。