最新話まで残りは5話。
早くマミヤを語るためにも急ぎたいところですが、カイジを雑に語ることこそ許されない。
令和初日での完遂も成りませんでしたから、マイペースに書きます・・・(^-^;
なおこの話以降、購読を雑誌からコミックDAYS版に切り換えました。
紙で読む方が性に合っていますが、どうしても価格の差は埋められませんね・・・。
前回に引き続き、5人で張り込むこととなった遠藤たちは緊急態勢を敷きます。
クルマが陣取る道路側ではなく、団地の奥側へ逃げることも考慮して一人をそちらに配置。これが出来るのも人数が増えたおかげですね。
代わりに遠藤がクルマに乗り込み、正面から監視。
カイジの出現は朝が本線ですが、ここで必要以上に警戒するのも遠藤の作戦のうち。
前回までに語られなかった、カイジのB案を殺すための布石です。
遠藤はその詳細は追々語るとして、じっと夜を明かすことになりました。
一方・・・風呂場に布団を敷いて横になっていたカイジは、激動の一晩を回顧していました。
偶然の遠藤来訪、その末の警戒強化。
途中までは比較的運に恵まれた帰省でしたが、今や主導権は失われています。
これが遠藤の持つ天性の嗅覚が捻じ曲げた流れだとすれば、こちらも何かアクションを仕掛けるべきなのかもしれません。
カイジは遠征したチャンの帰りが大幅に遅れたことを思い出し、想定外のピンチはいつ誰に起こるか分からないと痛感しました。
すると・・・
お母さんは徐に添い寝。
カイジは戸惑いながらベッドに戻るように言いますが・・・離れようとはしません。
たしかに深夜2時となれば、傍聴班も寝ているかもしれませんが・・・だからといって普段と違う行動を取るメリットは無い。
むしろ隠密に行動するなら夜だと踏み、今も細心の注意を盗聴に注いでいるかもしれません。
カイジは敵に一分の隙も見せたくないと念押ししますが・・・
まあね・・・
当然のように読んできましたが、客観的に見た際にカイジの親に対する薄情は度を越えています。
5年間音沙汰無しとなれば、失踪の果てに最悪の場合は死んだと思われてもおかしくない・・・。
さらに、再会した途端に平穏な日常を奪い、帝愛との因縁に巻き込んでいます。W役満で親不孝の極みと言っても差し支えないレベル。
とはいえ、カイジとしても故意にそうさせている訳ではないだけに辛いな・・・自然に涙が溢れますよね・・・
母子は涙で夜を明かしました。
そして、翌朝。
6時半になった団地では、ポツポツと通勤の住民が姿を見せ始めました。
遠藤たちは、さっそく作成した居住者リストと照合。
出て行った者をチェックし、イラストに斜線を引いていきました。
そうこうする内、通勤ラッシュに突入。
本命の時間帯ですから、遠藤たちは3方向に分かれてチェックを続けると・・・
堂々と出てきたぞ・・・!(;゚Д゚)
遠藤たちとしても、このおばさんがカイジ候補の最有力。
見張り班の3人がダッシュで確認すると・・・
!?(◎_◎;) カイジじゃない・・・!
尤も、これでカイジなら万事休す。
呆気ない形で脱出編が終了しますから有り得ない話ですが、おばさんの顔と違った以上・・・昨夜見たのはカイジに確定したと言っていい。
ただ、遠藤としては予想通り。
正面から出てくるなら、同じ変装は避けてイメチェンするはずと読んでいました。
とはいえカイジの顔は忘れようもない。脳裏に沁み付いています。
遠藤はいかなる変装でも見破る覚悟で、その場に構え続けるのでした・・・。
うん・・・なるほど。今回は脱出編の肝となる話でしたね。
同時にツッコミポイントで溢れ返っている訳ですが、まずはこのコマ。
通勤ラッシュの最中に出てきたフルフェイスの男。
素直に考えれば・・・以前にも同じ姿で登場した、カイジの旧友である保君です。
しかし顔は見えていません。
にも関わらず・・・遠藤たちは何の疑問も持たずにただただスルー、作業的にチェックを済ませました。
いや・・・相当怪しいでしょう。
ハッキリ言えば、これがカイジじゃないの?(;゚Д゚)
この状況ならそう考えるのが当然だと思うのですが・・・。
もしもこの男がカイジで、5人が雁首並べて見逃したとなれば・・・あまりにもお粗末と言わざるを得ません。
ここまで露骨ですから外れていて欲しいですが、遠藤が全く無警戒なのは擁護の仕様がない。
先ほどまでは水も漏らさぬ姿勢を取り続けていたのに、一体どうしたのか。徹夜で頭がボーっとしているとは思いたくないですが、それ以外に考えられないな。
そして次に・・・顔を確認して見送ったおばさんですが、
普通に考えて、この場合は顔の違いは問題ではない。
謎のおばさんと全く同じ格好をした別人がいる時点でおかしいでしょう。
単なる偶然と思ったという事なのでしょうか。
それ以前に、遠藤は見張り班に確認させただけ。
確かにおばさん姿を区別できるのは昨夜見ていた二人ですが・・・最後に自分で語っていたように、カイジの風体を最も知るのは他でもない遠藤です。
ただでさえ最重要人物に挙げていたおばさんなのになぜ確認しなかったのか・・・意味が分からない。
全体的に手ぬるいという次元ではありませんが・・・前回までのキレッキレな遠藤が嘘のようです。
しかし責めてばかりいても進まない。
真っ先に考察すべきは、今回現れたおばさんの正体ですね。
まず・・・この人物はカイジの扮装道具を譲り受けています。
つまり同じ棟に住み、頼めば無理を引き受けてくれる間柄。
そして、見張り班の男たちが顔を見るまで区別が付かなかったことからも、今回現れたおばさんは前日のおばさん・・・つまりカイジとさほど体格は変わらない。
描写的にもそう見えますから、180cm近い身長。
普通に考えれば成人男性。
つまり・・・該当するのは一人しかいません。
カイジの旧友である保君です。
(↓310話より)
目と眉の形は似ていますよね・・・。
鼻はマスクで隠れているので微妙かな。
ほうれい線は本来はありませんが書いていたりするのだろうか。
まあ・・・見張り班による確認はカイジであるかどうかが優先されますから、本当におばさんであるかどうかは意識の外。
雑なメイクでも見過ごされる可能性はある。
つまり、カイジと保が入れ替わったという事なのか。
あるいは・・・以前にも白木という黒服を登場させながら表札は臼木であったように、全ては読者をミスリードさせるための囮。
まだカイジは潜伏している可能性も捨てきれません。
しかし・・・とすると出てきたフルフェイスの男は誰なのかという問題に直面する。それが保なら、出てきたおばさんは誰なのか。
盗聴されている以上、まさかお母さんの生活リズムは崩せませんから、この入れ替わりに参加させることは不可能。
奇跡的に同じ格好の大柄なおばさんがいたと考えるしかありませんが・・・それはご都合すぎます。
やはりカイジと保の入れ替わりの線が有力ですが、どの場合でも遠藤にはガッカリさせられる事になる。
あれだけ部下を叱責しておいて、肝心なところでは自分も凡ミスを働くようでは最悪じゃないですか・・・。
さらにメタ思考を加えれば、とどのつまりはプロット自体の未熟という結論に行き着くわけですが・・・確定していない状況で言い切るべきではなかったか。
しかし、ここまで丹念かつ丁寧に積み上げてきた流れですから、カイジと遠藤の双方がベストを尽くした上での決着を望んでいました。
ここに綴った全てを妄言とさせるどんでん返しを期待しますが、今回だけを読んだ感想としては・・・少し残念でした。
・週刊ヤングマガジン№16(2019/03/18号)より。