中間管理録トネガワ 第53話『特急』感想 ~クズどもを運ぶdeath train~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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今回はアニメ放映を記念して、コミックDAYSに加えてヤンマガにも出張掲載されています。
 
 
この日…深夜の晴海には、またまたあの船が停泊していました。
 
これで三度目の限定ジャンケン回。
カイジ本編で描かれたのがまさに第三回開催の模様でしたね。
 
トネガワが時代考証を放棄しているのは今さら言及することではありませんが、
則っていると見ればカイジ本編の貴重な舞台裏ということになります。
 
 
利根川は帝愛本社で準備していましたが…
車は前々回で会長によって大破されています(-o-;)
 
先乗りする山崎が直前で迎えに上がることを提案しましたが、なんと利根川は電車で向かうとして拒否。
 
実は二月に一度は利用し、世間との感覚が離れないよう心掛けているようです。
 
たとえば昔、麻生さんが首相時代にカップ麺を400円と言って世間とのずれが話題になったことがありますね。
本職に関係無い知識とはいえ、印象は下げては損です。
 
ただでさえサービス業ですし、利根川も部下を束ねる立場。間に壁を作らないよう務めるのは大切ですね。
 
 取りつかれたようにスマホをいじる者、
ヘッドホンの音漏れを悪びれずにいる者、
あるいは立ちながら眠るサラリーマン、
 
格下たちのリアルな日常は、相も変わらず負のオーラが立ち込めていました。
利根川はその様を鼻で笑っていましたが…
 
その空間の一片に異物を発見…!
 あの男の目…!
どこかで…
 
えええ!まさかの再登場…!(@Д@;
 
利根川が記憶を辿っていると、その背後に声を掛ける者がいました。
 遠藤さんも久々の登場!
 
渡辺くんと言えば遠藤登場回でしたからね。
この二人はセットか。
 
しかし渡辺くんは変わってないね…w
非常識をさも当然とする妙な余裕と大物感、クズを突き抜けた化け物っぷり。
 
乗客たちも淀んだ空気を醸していましたが、やはり次元が違います。
 
とはいえ焦げ付いた借金には渡辺くんもお手上げ。首が回らなくなり、この度エスポワール行きが決定しました。
 
遠藤は船への引率者として同乗していたわけです。
 
それも、一人の為ではありません。
この車両はエスポワールを目指す多重債務者で溢れていました…!
 まーたお前らか…!w
 
この車両だけで、借金総額はなんと7000万越え!
いわば絶望が集うデストレイン。
クズを乗せた地獄行き特急と化していました。
 
この四人は22話(旧20話)でリハーサルを経験していますが、一応リピーターという扱いになるのかな?
そこから来る自信なのか、それとも素の性格なのか…恐らく後者なのでしょう。
渡辺ほどではないにしろ、いずれもマナーに反した嫌がらせを仕掛けていました。
 
人の善意を不意にしている川上と陰湿な山口は許せませんけど、まあ…満員ではないので木村は大目に見てもいいかな。
中根の占領については無理がありますから、帽子を渡して勝手に座ればいい。
 
…正直なところ常識の欠落した輩には関わらないのが一番だと思いますが、ここの乗客は血の気の多い、あるいは正義感が強いようで。
そこかしこで言い争いのトラブルに発展!
 
遂には電車が停止され、車掌も駆けつける大事となってしまいました。
 
中でも、やはり悪質度の高いと思われた山口と川上はくせ者。
客の権利、年齢の上下、ずれた詭弁を並べて全く反省の色が見えません。
強気に出られない車掌とは平行線をたどります…
 
なるほど、予想を超えたクズだな。
 
批難されても顔色ひとつ変えない渡辺の方が、まだ幾分マシか。さすがクズの領域から突き抜けた男。
 
利根川も見るに堪えませんが、巻き込まれては最悪。
静観するものの、このままではエスポワールの出港に間に合いません。
 
仕方なく遠藤に助けを求めると…
 
Fuck you
・・・え。(°д°;)
 
お前たちは皆・・・
大きく見誤っている・・・
遠藤が繰り出したのは、
利根川がこの後エスポワールでぶつ予定のお説教・・・!
 
それはカイジ史、いや漫画史に残る名演説。
喋る人が変われど、必然的に効果は抜群でした・・・!
 
車内は水を打ったように静まり、川上は抗議を中止。
 
心を動かされた木村は背負っていたリュックを前掛け、
中根は帽子を自分側に寄せ、山口も迷惑とならない足の角度に変更。
そこは組むこと自体を止めてほしいですが、山口はクズレベルが高いので仕方ないか。
圧倒的効果・・・!
 
いや渡辺はまだダメでしょ( ゚∀゚; )
3席取りが2席になっただけじゃんw
 
それで改めた気になっている辺り、やはり大物。
しかし僅かとはいえ渡辺の心を動かすのは至難の業ですから、利根川スピーチ恐るべし・・・
 
無事に電車は動き出した訳ですが・・・
何を話せばいいんだ・・!
ワシはこの後船で・・・!
 
ですよね・・・!(^▽^;)
この緊急事態を鎮圧したので怒る訳にもいかないですし・・・これは苦しいというか歯痒い・・・w
遠藤はしてやったりで媚を売ったつもりなのが憎いね(^_^;)
 
原作準拠であれば、結局利根川は同じ内容を話したことになりますが、まあ103人中の5名程度ですから気にする必要もないよね。
 
そもそも毎回同じ台本なのであれば、リピーターは確実に同じ演説を食らっているわけです。今さら神経質になっても仕方ない。
 

まさか限定ジャンケン当日の移動中のエピソードが来るとは予想できませんでしたが、準レギュラーたちの活躍、遠藤の有難迷惑、利根川の煩悶オチ。

トネガワらしい魅力が詰まった完璧な構成でしたね(⌒▽⌒)