賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第283話『不覚』感想 ~忘却の地へ~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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前回、事後工作を完遂させたチャンは無事に6億円を確保。
あとはカイジとマリオの待つ桜町の廃屋へ戻り、改めて高飛びするのみとなりました。
 
約束から1日遅れての帰還に、二人も一日千秋の思いで心配していることでしょう。
 
チャンは早速タクシーを呼び止め、廃屋への行き先を告げようとしますが・・・
ポケットの中に折り畳んだはずのメモがありません。
 
その代わりに出てきたのは・・・

ぅああっ・・・(O_O)
恐れていた事態が現実に・・・。
 
チャンは瞬間、謎の紙屑に呆気に取られますが・・・それは直ぐにフラッシュバック。
目覚ましを止めた件もそうですし、おじさんの善意がまたも裏目に働いてしまった(  ゚ ▽ ゚ ;)
 
しかし・・・逃走の明暗を分けるメモでしたから、無造作にポッケに突っ込んだのはお粗末な危機管理だったな・・・。
遠征資金の25万と一緒に封筒に入れたり、靴底にも忍ばせたり、複数枚は書いてリスクを分散させるべきだった。
 
チャンは近場の喫茶店に場所を移しますが、字も消えた皺々のメモでは復元も不可能。和やかな店内で一人、頭を抱え続けます・・・。
 
とはいえ、あくまでメモはド忘れした際の保険。
せめて桜町の名だけでも覚えていれば問題ありませんが・・・
えええ・・ウソん!?
せめて覚える気は持っていてほしかったよ(@_@)
 
しかもあの時は最寄り駅を探してフラフラと走行していたため、廃屋からの経路も不明。
要した時間は25分程度でしたが、それも最短距離とは限りません。
 
住所が分からず、その範囲も絞れない・・・もちろん他人に廃屋の外見を伝えるわけにもいかない。
帰還への手掛かりは完全に失われてしまったのでしょうか。

 

 
余談ですが、「全く」は「全ったく」とも表記するのか・・・?
初めて拝見しましたが・・・使用の正誤はともかく、やはり福本先生のワードセンスは独特ですね。
 
 
もはや万事休すと思われた・・・その時、
チャンの脳裏に甦ったのは、まさに問題のメモを取った時の光景。
(↓273話より。)
引っかかったのは、最後のチャンの笑み。
住所をメモしただけですが、何が可笑しかったのでしょう・・・。
 
このタイミングで過った以上、その小さな疑問が重要なヒントであるはず。
 
次第に鮮度を増す記憶・・・
そして貫いた衝撃に、チャンは思わず立ち上がります・・・!
 
それは住所ではなく、表札の名前!
なるほど白木屋か。
 
・・・光山やチャンと一緒によく行ってたのかもね。
(↓和也編8巻72話のマリオの回想より)
 
個人的に思い入れのある苗字というのは、確かにありますね。
 
例えば福本、赤木、兵藤あたりは現実でもたまに見かけますけど、必ず私は先に漫画の方を連想してしまう。必然的に記憶に残りやすい。
ふと思い出すのもよく分かる。
 
 
そして、幸いなことに白木は珍しい名前。
苗字の順位としては895位、全国に2万人程度とのことですから、この付近の「白木」さんに絞れば片っ端に当たってもさほど時間のかかる事ではありません。
 
チャンはさっそく喫茶店の電話帳を借りると、白木探しを開始しました・・・。
このハローページ大作戦は成功するのか・・・?
 
白木は和也に付いている黒服の名前なので、それを頼りにする展開は不穏ですが・・・まずカイジと合流しなければ話が進みません。
 
またも回り道な作戦ですが、現状ではベストな方法には違いない。
 

 

今度こそ真っすぐ再会まで至ってほしいところですが・・・
そう簡単に事は運びそうにありません。
 
 
mochiさんより、表札についてご指摘を頂きました。
 
それは・・・この表札の文字、
本当に「白木」でしょうか・・・?
(↓273話)
「臼木」なのでは・・・?
 
・・・
 
・・・・!?(°д°;)
 
よく見ると、確かに4画目が途切れてますね。
3画目の始点も離れてますし・・・
臼に見える、見えるううう!!!( ゚∀゚ )
 
 
今回のチャンの回想上では4画目が繋がっていたので完全に「白」ですが、
これは居酒屋の白木家に引っ張られた記憶でしたから、無意識に補正してしまった可能性が強い。
 
黒服の名前に設定したことについても、
偶然出くわす為の設定であれば「白木」である必然性はなく、よりによってカイジの潜む廃屋の側に自宅があるというのはご都合感満載でした。

 

しかし、臼木を白木と断定させるための読者へのミスリードであれば、さり気ない上に必然性のある苗字だったことになります。
伏線とすればこちらの方が鮮やかかな。
 
ちなみにチャンの回想では表札の地番も微妙に違っていますが、それは全く(全ったく)記憶していないはずなのでテキトーな描写というだけかな。
 
 
果たして存在しない白木家を探して彷徨い続けることになってしまうのか。

 

例のカエルポスターのフラグも残っていますし、まだまだチャンの苦悩は続きそうですね。

 

次回は休載。
演出やテンポは良いのですが、もどかしい展開ですね・・・。

 

・週刊ヤングマガジン№26(2018/06/11号)より。
 
 
 
24億脱出編の1巻・2巻は6/6発売。
1巻はワン・ポーカー最終戦の解説の途中まで、2巻はチャンの遠征開始までとなりそうです。
 
今シリーズの表紙はオレンジを基調として、ワン・ポーカー編同様に黒とのグラデーションとなりました。
 

明日には黒沢と仲根も同時発売されますね。

 

仲根は1巻分で綺麗に起承転結した状態で連載が中断されています。

果たして連載再開からの2巻が発売される日は訪れるのでしょうか・・・?恐らくこの1巻の売上次第かな。