1日外出録ハンチョウ 第26話『高低』感想 ~グルメジャンパー大槻~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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※センターカラーは3巻表紙の紹介でした

 

大槻解放・・・!
今回の外出も単独のノープランのようです。
 
何処か分からぬ市街を散策していると・・・
ふと激安中華チェーン店の日高屋が目に留まりました。
 
大槻はまだ入った経験がないらしく、折角なので一度試してみることに。
 
日高屋か・・・
私は例の如く田舎者なので見た事すらありませんけれど、それでも名前は知っているので相当有名ですね。
シンプルにパラパラなチャーハンはラーメンとの相性抜群・・・!
 
激安チェーン店の何気ないメニューですが、大槻の満足度はなんと80%超え。
激安ゆえに過度の期待を寄せずに、フラットな気持ちで食せたことが大きかったようです。
 
確かに小説や映画でも割と批評されている作品ほど、それを知った状態で見れば意外に楽しめたりするものですね。
 
つまり大槻は食に関しては一流ハードラー。
期待値という名のハードルの高さについて、その見極めに長けています。
 
例えば看板に高級・本格などあっては嫌でも期待値は上がりますね。
もちろんその高い要求を超えてくることもありますが、成功率と望むクオリティとの兼ね合いを判断するのが重要です。
 
 
しかし日高屋は・・・美味そうだね。
思えば先日の牡蠣エピソードにつられて昨日牡蠣を食べたばかりですし、見事に影響されてます・・・(;^_^A
 
ちなみに店内の描写には他のメニューも値段付きで書かれていますが、HPを参考にしたところ冷奴200円、そら豆170円など全て実際の通りでした。
 
たった3ページですし特にコラボが謳われてはいませんが、珍しい実名店でしたね。
 
 
・・・ところで、激安と簡単に言いますが本当に激安なのか?
激と付ける以上、絶対的にはもちろん相対的にも安くなければ認めないよ(O_O)
 
 
ということで、他の有名チェーン店と比較してみました。
 
対象は昨年の某調査により人気BEST5に入った
餃子の王将、バーミヤン、幸楽苑、大阪王将、そして日高屋。
 
大槻が絶賛した日高屋の中華そばと半チャーハンのセットは
税込630円でした。
 
 
まず餃子の王将は・・・
ラーメン480円+半チャーハン(ジャストサイズメニュー)248円=726円(税込786円)
 

バーミヤンはメニューに半チャーハンがありませんでしたが、

バーミヤンラーメン499円+チャーハン499円=998円(税込1077円)

 

幸楽苑は

あっさり中華そば390円+絶品半チャーハン310円=700円(税込756円)

 

大阪王将は

醤油ラーメン473円+五目チャーハン(小)362円=835円(税込901円)

 

 

・・・バカな!

どのお店も安さが魅力なのに・・・日高屋だけ600円台なんて圧倒的もいいところじゃないか・・・!これはその内価格破壊が起こるぞ。

 

なるほど、確かに激安に偽りなし。

疑ってすみませんでした。

 

同時に・・・日高屋以外には半チャーハンセットというメニューが存在していないことに驚いた。大概は餃子セットなのですね。

敢えて餃子を外すことが安さの秘訣だったりするのだろうか・・・。

 

 

勝手に盛り上がってしまいましたが、大槻は次のお店へ。

 

選んだのは喫茶室ルノアール。

ゑ・・・また実在する店ですね(ノ゚ο゚)ノ

 

 

座席のスペースが広いため、休憩のため入ったのですが・・・
予想以上のサービスに楽々及第点超え!
 
ここまで順調な大槻ですが、安牌を選びすぎている感もあります。
夜は匂いにつられて焼き鳥店へ向かいますが・・・
 
なぜか店頭を見るなりUターンしてしまいました。
大槻曰く、これはラーメン屋以外が無闇にやってはいけないハードルの上げ方。
 
節操なく入り口を塞ぐ形で並んでいるポップやのぼりもやや気になりますね。
ただ仕事帰りに飲みに訪れるなら構わないでしょうが、今の大槻はグルメモードですから慎重ですね。
 
 
結局選んだのは、こちらも実名で登場・・・
これは憎いトリオですね。
 
サザエに鴨、山と海の主役が引っ張り、そのクセを菜の花が優しく包む・・・非の打ちどころが無いな。
特にこの日はいい鴨肉が入ったらしく、チョイスとしても完璧でした。
 
こちらもフラットな気持ちで入店していたため嬉しさ倍増。
値段はそこそこしましたが、3台目のハードルも余裕のクリアとなりました・・・!
 
大槻は120点の初日を振り返り、満足感に包まれながらビジホで就寝。
 
 
・・・そして翌朝。
 
この日はプランを立てるため、コンビニでグルメ情報雑誌を立ち読みしていると・・・
ひと際目を引く親子丼を発見!
 
それはただでさえ情報誌中最高峰のdanchuで取り上げられているだけで凄いのですが・・・
たまらず雑誌を戻しますが・・・
 
・・・逆に気になる。
 
どうやらこちらは架空の店のようですが、
ここまで臆面もなくハードルを上げるメニューとはどれ程のものなのか・・・?
大槻はその好奇心が抑えられません。
 
事実・・・高いハードルを跳び越えた時の快感は、昨日のそれとは全くレベルが違います。
 
 
ギャンブルとは知りながら、意を決して向かってみると・・・
そこには覚悟していた以上の長蛇の列がありました。
 
大槻は最後尾に並びますが・・・
それはただの行列の切れ間。
 
実は反対車線に続いていた、さらなる列の後ろまで導かれてしまいましたΣ(´д`ノ)ノ
もはや退くに退けませんが・・・これほどの高さとなったハードルを越えるのは至難の業。
 

大槻は、やむなく最後の手段まで考慮に入れ始めていました。

 

それは・・・半ば無理矢理にでも「美味かった」と自分に納得させる禁断の技。

とどのつまり・・・

しかし・・・それは自分に嘘を吐くこと。
 
イメージ上の大槻が私服に変わっていることからも、ハナから跳躍を諦め、グルメであることを放棄した行いです。
 
いやー・・・そんな妥協に逃げた大槻は見たくないな。
 
 
並んでから1時間後。
大槻はようやく席に着きましたが・・・そのメニューを見てまたも愕然!
何故付けた・・・!?
「ふわとろ」という形容詞・・・!
 
つまり大槻が「ふわとろ」と思わなかった時点で即アウツ・・・!
感情をごまかして美味かったと思い込むことも不可能となってしまいました。
 
うわあああ・・・逃げ場がないね・・・。
大槻の脳裏をよぎるのは、なくなく封鎖されたハードルに突っ込む自らの姿でした・・・。もはや無残な直撃は必至です。
 
味はもちろん食べるまでに掛けた時間も、選んでしまった自分自身も恨んだ挙句・・・かつてない落胆に沈むことになりかねません。
 
 
私の実家の近くにも、シンプルな中華そばの大・中・小しかメニューにない老舗がありますが・・・正直なところこれまで食べた中では下から数えた方が早い味でした。
 
地元では名店として度々特集も組まれていますが、昔ながらの味というフレーズに頼ることで批判を受け付けない雰囲気があります。
もちろん味覚を含めて受け取り方は人それぞれでしょうが、その辺りの排他的な部分も・・・あまり好きじゃないな。
 
 
今回の場合も自信と言えば聞こえがいいですが、「ふわとろ」を押し付けているようにも取れます。
 
大槻が不安を隠せないのも仕方ない。
UZEEEEEEE!!!www
意識しないように敢えて外したのに、念押しするなよ( ̄□ ̄;)!!
 
店員の教育からしても面倒くささ全開です。
散々ハードルを上げられてもう疑心暗鬼ですからね・・・どうしても粗を探してしまいます。
 
しかし余計なことを考えるまでもなく、既に親子丼は目の前。
相対した瞬間から大槻は助走を始めています・・・!
 
 
・・・・!(゜Д゜;≡;゜д゜)
 
 
が・・・!
ふわとろ親子丼は・・・
文字通り・・・ふわとろ親子丼だった・・・!
 
ふわ・・・とろ・・・んまっ・・・うまっ・・・!
まさに「極味」・・・!
気付けばあっという間に完食・・・!
 
んなああっ・・・・・!(@_@)
散々引っ張っておいて・・・なんだこの決着は・・・!?w
 
こちとら2時間以上かけてこれ書いてんだぞ・・・
んなもん食いたくなるに決まってんじゃねえか・・・!
 
そしてちょうど近くに親子丼の店なんて無ければ、材料も整ってるわけないじゃん・・・!(+_+)
 
ズルい・・・誰か・・・
 
せめて大槻になにか天誅を下してくれ・・・
 
 
・・・・・・・・
やあああああああああ!!!!!(☆。☆)
 
ですよねっ!?w
良かった・・・オチがあった・・・(⌒-⌒; )
 
展開的にも、ネタ的にも、知ったことではありませんが私の精神的にも、綺麗にまとまりました。
 
今回は1話で4店舗、うち3店は実在するチェーン店。
しかも前回とは一変して親子丼を巡るドタバタもあり、これまででも屈指の濃密なエピソードでした。
 
本当に、一度ネタ切れしかけたとは思えない面白さですね・・・!
また次回へ続きます。
 
 
・週刊ヤングマガジン№12(2018/03/05号)より。