それでは先週分・・・
今回は描かれている舞台について、考察も挟みながらの感想です。
前回、軽トラ破棄の為にチャンが一人で旅立ったその夜・・・
住居不法侵入中の2人は、暗闇の中で夕食の総菜パンを口にしていました。
ただ、鼻が利くのでしょうか・・・隣の家の犬が啼き始めますが、二人としてはじっと押し黙るしかありません。
チャンには難儀な仕事を任せているのですから、ただ息を潜めるだけの自分たちが下手を踏むわけにはいきませんね。
何か物音を立てたりして、不審に思われてはならない。
暫くすると啼き声は止みましたが、まさに今恐れているのが近隣による警察への通報。
現金入りの段ボール箱は2階の押し入れへ移動済みですが、調べが入ればそれまでです。
そうか、犬に感付かれるのは想定外だったな・・・。
しかし不可抗力による破綻はいつでもあり得るわけで、カイジはのんきにビールやおつまみを買い込んできたマリオを咎めました。
本当に・・・ただでさえフラグが乱立しているのですから、気を引き締め直さなきゃいけない。
二人の使命は数日息を潜めるという、ただそれだけ。
しかし単純なだけに、気が緩みやすいので注意が必要ですね。酔って気が大きくなるのはもっての外。
とはいえ、マリオの調達物はハズレばかりではありません。
作中は2月下旬ですから、普通の掛布団では厳しい気温ですが・・・
まるでキャンプですね(^◇^;)
億超えの大金を持ちながらこの慎ましい生活・・・まさか億を超える金を持った二人には見えないな。
マリオはこれからの未来を想像したのか、今のギャップに微笑みました。
気が早いとはいえ全く正反対の暮らしが待っているのですから、充実感がこみ上げますよね・・・。
しかも考えてみれば、この質素さは不法侵入している立場にとっては好都合。
なぜなら仮に通報があって警察に踏み込まれたとしても、そこにいるのはどう見てもホームレス寸前の二人・・・。
ガラス戸の器物破損を咎められると面倒ですが、それも無一文の証と捉えられることでしょう。
まさか億の金を隠し持っているとは思わないよね。
恐らくは注意や小言の説教があるだけで、二人が出て行けば家中を捜索することもないはず。
あとは日を改めて再侵入すればいいだけです。
何このほっこり仲良しコンビ。
修学旅行の夜じゃないんだから(^_^;)
まあ・・・カイジは沼挑戦前に坂崎とも横になって語り合いましたが、深夜のテンションで同志と語り合うと飾りのないやり取りが出来るので良い思い出になりますよね・・・。
あることないこと、ポツポツと話し続ける二人でしたが、決死のギャンブルを乗り越え、気が付けば30時間以上寝ていませんでした。
疲労もピークに達していたようで、気が付けば二人は夢の中。
本当なら交代で寝た方がトラブルに対処しやすいのでしょうが、他に現金を隠すアテが無い以上、踏み込まれたら先ほどのようにホームレスを装ってシラを切り通すだけ。見張る必要もないか。
一方・・・チャンは深夜の東名、名神を疾走していました。
こちらも眠気は限界。しかし休んではいられません。
職質に遭う確率を考えても、昼間に雑多な街中を走るよりは安全ですね。
そして夜が明け、チャンは広島県は三次市まで辿り着いたところで高速を降りました。
ちなみに、前回でチャンが空き家の近くで目にしたポスターには「中原市桜町」とありましたね。
坂崎の家は練馬区にありますが、空き家にはレンタカー屋を経由してから小一時間掛かりました。
おそらく現実では川崎市にある「中原区」を市に変えたものでしょう。
※前回でチャンがコインロッカーを利用したのは「新中原駅」となっていましたが、現実で該当するのは福岡にある九州工大前駅の旧称のみ。
現在のカイジは1998年の設定ですが、新中原駅は1990年までの名称。リンクしていないので、現実でいうところの武蔵中原駅を指すものと思われます。
チャンが最初に東名高速に乗ったことからも、地理的に川崎市の他には考えづらいですね。桜町は存在しませんが、こちらも恐らく架空の地名でしょう。
チャンは粗大ごみ置き場を回ってトランクを破棄。
あるいは山道に入り、道沿いの藪の中、
各地を回り、午前中の内に全てを片付けることが出来ました。
トランク一つを捨てるにも神経がすり減るね・・・。
現場から遠く離れた広島ですし、大量のトランクが破棄されていたとしても怪しまれるとは思いませんが、回り道を選んだ以上は徹底するべきなのでしょう。
残るは軽トラのみとなりました。
ただ・・・二人の待つ川崎へ戻るためには、破棄後に駅やバス停などの交通手段があるところまで徒歩移動することになります。
ですから全くの山奥で破棄するわけにはいきませんが、人通りのある場所に近すぎてもいけない。
チャンはなかなか適した場所を見つけられず、田園地帯を彷徨っていました。
すると・・・先にバス停を発見!
鶴ノ巣・・・
広島県東広島市河内町入野字鶴ノ巣、
広島に実在する地名ですね・・・!
リアルでは、つい先月に大型物流センターが竣工され話題にもなっているようです。
ちなみに鶴ノ巣駅は存在しませんが、こちらはすぐ傍にある山陽本線の入野駅が該当すると思われます。
つまり、今後の道のりは↓のようになる・・・はず。
ここにバスの乗車時間が加わりますが、上手く行けば当日中に戻ってこられそうです。
空路を使えばさらに短縮できますが、羽田は張られていそうで怖いな。
所持金は問題ないでしょうけど・・・経路の選択も間違えられませんね。
現実世界と連動してカイジたちが行動していると思うと、なんだか不思議な気分。
県や市町村レベルではないピンポイントな地名ですから、地元の方は嬉しいだろうな。
・・・レンタカーを借りた後はぜひ山形に来てほしい(^▽^;)
北を目指すはずですからワンチャンあり得ますね。
しかし先の心配をするより、今は軽トラの破棄場所を見つけなくは。
チャンが辺りを見回すと・・・林の奥に古びた『巨大迷路』の看板を発見!
巨大迷路か、久々にその名前を聞いたな。
私もだいぶ昔・・・小学校に入ったかどうかの頃に一度だけ行ったな。
もうとっくに廃業したはずですが、その迷路は壁が植物だったので向こう側が見えていたり。その辺りの粗さも含めて楽しかった記憶があります。
営業していなければ廃棄場所にはおあつらえ向きですね。
さっそく急行すると・・・!
何という強運・・・!∑(゚Д゚)
しかも、パチンコ台や粗大ごみと一緒にクルマが大量に破棄されています!木を隠すなら森の中、車を隠すなら車の山の中ですよね。
立地的にも、先ほどのバス停から歩いてせいぜい30分。
まさにドンピシャじゃないですか・・・!
さっそく入り口を探しますが、フェンスに破れはなし。
しかし、この巨大迷路はどこまでもチャンの味方でした!
何だこれ・・・まさに吸い寄せられるようだな。
順調すぎて今から運の揺り戻しが怖い・・・!
不法投棄しているのが管理者に見つかり、出口は正門しかないのでいったん巨大迷路に身を潜めるつもりが出られなくなるとか?
ちょっと間抜けすぎるかな。
もしチャンが不法投棄で捕まれば軽トラの車種やナンバーの情報が公開されるでしょうから、黒服の情報網に引っかかるかもしれない。
さらに・・・予想屋さんに頂いたコメントを参考にすれば、その時にコインロッカーの鍵が見つかればチャンの取り分は事実上消滅しますし、住所のメモが見つかれば芋づる式にカイジとマリオにも危険が及びかねません。
前回と同じように表面上は順風満帆ですが、実際はフラグ地獄。
チャンはもう4,50時間は寝ていないので酷でしょうが、何とか機転を利かせて回避してほしいな。
正直今のカイジが賭博漫画なのかは怪しいですが、スピーディーなので面白い。
まだまだ怒涛の展開は続きそうですね。
・週刊ヤングマガジン№13(2018/03/12号)より。