遅ればせながら・・・更新。
福本作品の歴史が動きました。
2/1・・・当ブログのアクセス数がこちら。
普段は1~2万、多くても4~5万ですから、
10万というのはあり得ない数字。
もちろん・・・これは今回の出来事における、世間の注目度の高さに他なりません。
当然ながら、それはYahoo!ニュースでもトップを飾りました。
麻雀は知らずとも、誰もがこの名は知っている・・・
アカギ・・・
その伝説に、ひとまず幕が下りた。
表紙には
我らが赤木しげる、その最大にして究極の敵・鷲巣巌、
以下・・・過去の主要キャラが勢揃い。
・・・なのですが、南郷さんや矢木、竜崎、仲井、治あたりを差し置いてまで閻魔や鬼がいますし、白服からは鈴木でも岡本でもなく、なぜか酒井。
割と謎の人選ですね。
まぁそれはいいとして・・・連載終了後は読切の予定があるとの事でしたが、表紙にはアカギ「完結」号と明記されています。
今回でアカギ伝説は一区切りを迎えるという事になりますね。
つまり、これが取り敢えずのラストエピソード。
色々と感慨に浸りながら書き残そうと思います。
ただ正直なところ、
どこか感想を・・・書きたくない気持ちもありました。
買って、読んで、感想の文章に起こす・・・そのルーティーンが終われば、私の中でその一話は過ぎ去ったもの。
この感想を書き終えれば、私の中では最終話ではあっても最新話ではなくなる。
その瞬間から、アカギという作品が過去へと変わってしまう・・・。
とはいえ書かないという選択肢は無いわけで、あまりしんみりせずに1ページずつ、1コマずつを噛み締めよう。
前回、アカギはすり替えのトリックによって手本引きの勝ち金を守ると、翌朝の電車で弥代組の管轄から逃れることに成功しました。
一方・・・3年間その身を追い続けていた鷲巣は、ひと足遅く港に出現。
みすみす逃走を許した組員たちを罵倒していました。
しかし、組員たちは丁度アカギに嵌められた事に気付き、頭に血を上らせていたところ。
誰とも知らぬ老人に馬鹿にされ、衝動的に掴みかかりますが・・・
その瞬間、鷲巣は懐の拳銃に気づきました。
相手が自分を鷲巣と知らないのをいいことに・・・
惚けたふりして乱射開始・・・!
78歳となってもその狂気は健在!
組員たちは呆れ慄いていますが、白服たちは静観している辺り・・・多くの修羅場を潜る様を見届けてきたのでしょうね。
この乱射も単なる狂態ではなく・・・鷲巣のこの3年間そのものでした。
ポン、ポン、ポン・・・
会う事も儘ならん
鷲巣麻雀、最終6回戦オーラス・・・
鷲巣の最終形がこちら。
そして鈴木の手には
がありました。
安岡のツモによっては阻まれる可能性があったとはいえ、ポンを重ねていけばほぼ和了は確定。
残すはウイニングランのみ・・・という所で意識は途切れたのでした。
血肉を削った闘牌を繰り広げていたからこそ、ルール違反の輸血というイレギュラーな形での決着だったのは、アカギも悔いていた事。
感傷に浸る鷲巣ですが、それはただ虚しいばかり。
拳銃を投げ捨て、アカギを探すために踵を返しました。
とはいえ組としては発砲されて見逃せるはずはありませんが・・・ただ一人、若頭の男は自重。
去り際で一言、白服が老人のことを「鷲巣」と呼んだのを聞き逃しませんでした。
鷲巣は表ではもちろん、裏の財政をも牛耳っていた男。
末端の組であれば数日と掛からず潰すのも訳ない事です。
事の大きさに気づいた組員たちは、掌を返して恫喝を謝罪。
一様に遜りますが、鷲巣はこの程度の格下にマジになる器ではありません。
が・・・それは脅しに対しての事。
もう片方への怒りは収まっていませんでした。
つまり、自分とは比べるに値しないほど格下でありながら、ただ感情に任せてアカギを殺そうと宣ったこと。
そんな資格も権利も、憎悪も敬意も歴史も無いのです。
覚えておけ!
それは仰る通り、間違いないね。
鷲巣の人生において、アカギは遂に出会った唯一の同類。
その至高のライバルとの決着を付けられないばかりか、再会できるすんでのところで先立たれたとなれば・・・これはもう鷲巣の生涯そのものを殺され、否定されたようなものです。
まさに魂からの叫びを残し・・・
こみ上げる渇望を胸に、鷲巣は悄然と防波堤を去るのでした・・・。
一方・・・その頃、
鉄道を途中下車していたアカギは、治と共に立ち食いそば屋で食事中。
前回・・・博奕に手を抜いての小勝ちなどあり得ない、そんな姿勢では必ず負けると語ったアカギは、どこか感慨深げでした。
治はその負けについて詮索し始めますが、アカギは取り立てて語ることはなく、その件について再戦したい気持ちもありません。
そのサッパリした表情からも、相手を認めているのは明白。
それを察した治は、その相手と勝負抜きで一晩語り合うことを勧めますが・・・
今でも不意に過る、あの夜の死闘。
それは互いの命を牌に捧げ、その魂を張り合った純な記憶。
その一瞬、一秒に込められた熱を言葉で語り合うなど、真剣であった博奕への冒涜かもしれませんね。
そしてアカギが降り立った地は・・・いつでも気紛れ。
13歳のアカギが雀荘みどりへ迷い込んだこと、性にも合わずに玩具工場で勤務していたこと、倉田組の丁半に入り浸っていたこと、そして弥城組の手本引きに赴いたこと・・・
事あるごとに雲隠れしても、行きつく先はアカギの人生に沿った勝負の道へ繋がっていました。
直感を信じてこそ、博徒の矜持・・・その流れに身を任せた先こそ、自分が歩むべく定められた道、
この湯治場への途中下車も、自らの意思に沿っただけ。
アカギの意思が選んだ地、
鷲巣ヶ谷。
なるほど、前回調べても存在しないはずでした。
実はその身を追い、接近していることをアカギは知りません。
しかし博徒の持つ意思が、この流れを選んだ。
その人々が持つ宿運とすれば、アカギは波乱に邂逅する運命なのかもしれません。
アカギに宿る狂気への誘引・・・
それが果たされたのかどうかは、もはや誰にも知れない。
「アカギ」、最終話、完結。
しかし、その人生は博徒そのものを体現していく・・・そんな未来を感じさせるラストでした。
今回はどこか柔和な、後の赤木像へと繋がる表情やセリフも散見されましたね。
アカギ、21歳。その伝説は、始まったばかり。
次に降り立つ地では、果たして如何なる運命が待っていたのか。
そして、天和通りへと至るまで・・・
その身が飛散するまで・・・
アカギ、
そして福本先生、
比類なき伝説を・・・ありがとうございました。
そしてこれからも、伝説の新章が綴られる日を待ち望んでいます。
・近代麻雀2018/03/01号より。
※最終巻となる36巻は5月発売予定です。