賭博堕天録カイジ 24億脱出編・第271話『水泡』感想 ~マリオのBダッシュ!~ | ツェーイーメン ~福本漫画感想日記~

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ようやく最新話に追いついたので、サブタイは少し遊んでみました。
とはいえ間違ってはいないはず・・・f^_^;

 

 
前回、坂崎との涙の別れがあったカイジ。
 
夜が明け、車の数も増えてきた街並みを走る間・・・
カイジはその余韻に浸るように、頬杖をつきながら窓外を眺めていました。

 

その様子から、チャンは二人がただならぬ関係であったことを察したようです。

 

カイジは戦友としての簡単な経緯を話しますが、チャンにはそれでも違和感がありました。

 

なぜなら・・・坂崎は今回のタネ銭の提供者ですが、勝負に同行していたわけではありません。

普通なら元の300万円の2,3倍、多くてもそれに色を付けた1000万円で十分。
 
余計な進言とは知りつつも、やや割に合わない金額だったように思えてならないようです。

 

 

しかし、実はそれについてはカイジも同意見。

過去の所縁を考慮しても、明らかに1億は弾みすぎでした。

 

ただ・・・それは決して金銭感覚が狂ったわけではなく、奇跡に恵まれ続けたカイジに一つの理念が生まれていたため。

 

つまり、17歩から続いた快勝はあまりに限度を超えてツキ過ぎ。

そろそろ運の秤は逆に傾きだしてもおかしくありません。

 

その最悪の目が出た場合、帝愛に捕らえられたなら勝ち金は没収です。

 

しかし・・・

同時に他人への1億の寄与は、いうなら莫大な布施でもあります。

 

例えば黒沢は恋之助との決闘前に河原を掃除していましたが、

カイジも拭えない不吉さを解消するために、ひとつ徳を積んでおいたわけですね。

 

言ってしまえば結果論でしかない神頼みではありますが、どんな世界でも大勝負前に験を担ぐのは当たり前。

 

勝ち金すべてが水泡と消えない為の投資と考えたとき、12億が11億に減る程度なら躊躇うことではないかもしれない。

確かに既に億という桁の時点で大金ですし、額よりも割合で考えるのは正しい気がする。

 

カイジは神様のご加護があるはずと、この逃避行の成功を確信したようです。

 

しかし・・・背後に迫り来る影がありました。

えええ!? いつの間に・・・(@Д@;
 
荷台に積んだ金もマリオもきちんとシートで隠れていますから、一見して怪しさはありませんけど・・・
よりによって朝っぱらのパトロールに出くわすとは。

 

 

カイジ達は無事に通過してくれることを祈りますが・・・

トラックを追い抜いたパトカーはそのまま減速。

 

そして、

 

後ろの軽トラ停まりなさい!

 

うああああ!!!(((( ;°Д°))))

嘘でしょ!?w

せっかく黒服を振り切ったのに、今度の敵はまさかの公安!?
 
何たる不運・・・。
先の厄払いは壮大なフラグでしかなかったのでしょうか・・・(><;)

 

 

次の瞬間にも、荷台を怪しまれたらそれまで。

23億円という大金が見過ごされるはずもなく、確実にカイジたちは拘束。

 

その実態は賭博による勝ち金ですし、上手く嘘をついてもマネーロンダリングと見られて金は国庫行きです。

 

 

迫る警官・・・この短時間で名案など浮かぶはずもなく、もはや万事休す・・・

 

観念するカイジでしたが・・・その時!

!?(°д°;)
 
なんとマリオがひったくりを敢行!
緊急避難的犯罪で職質を止めさせました・・・!

 

なんという荒業・・・。

しかし天才的な機転ですね。

 

 

実は二つ↑の画像でも確認できるように、マリオは警官が近づくよりも先にトラックから降りていました。

 

咄嗟に行動を起こせるだけでも凄いですが、その手段がひったくりですから自身に危険が及ぶのを承知の上だったわけです。

マリオにこれほど大胆な臨機応変さがあったとは驚き。

 

しかも不用意に降りる姿を見られては、荷台に乗っていたことを咎められて面倒を増すばかりでした。タイミングも絶妙でしたね。

 

 

命拾いしたカイジですが、息つく暇はありません。

このままではマリオが逮捕されてしまいます。

何だこの展開(^▽^;)
 
映画的と言いますが、カイジ史上もっとも動きの激しい攻防ですね。
これはこれで、新鮮な緊迫感があって面白いな。
 

カイジたちは先回りした四ツ角で待機。

 

そして路地に逃げ込んだマリオは、必死に警官から逃走・・・!

なかなか俊足らしく、捕まりそうなどころかむしろ引き離しちゃってます(  ゚ ▽ ゚ ;)

 

確かに脚に自信が無ければ取れない行動ではあるね。警官は情けないけど。

マリオ凄すぎ・・・!∑(゚Д゚)

 

マリオがある程度距離を付けていたおかげで、角を曲がった警官たちが見たのは落ちたカバンだけ。

忽然と姿を消されたため、呆然と立ち尽くすばかりでした。

 

トラックも目撃されずに済んだのは大きいね。

 

結果的には後から駆け付けた被害者にカバンは返されたので未遂ですし、誰にもけが等は無し。
ひったくり程度では指名手配もありえないですよね。

 

公安相手にラフプレーで後腐れない決着をつけるとは、マリオはお見事・・・!

 

 

こうして虎口を脱した三人ですが、まだ気を緩めてはならないと痛感。

厄払いだの布施だの、呑気なことを言っている場合ではありませんでしたね。

素晴らしい機転だったのに、「はぁ~~い」ってw 
気が抜ける(^_^;)
 
良くも悪くも、いつものマリオに戻ったようで和んだ。

しかし本当に見直しました。お手柄でしたね。

 

 

正直、この回の内容は必要かは微妙なところかもしれませんが、24億脱出編のタイトルに相応しいスピード感のあるアクション的展開でした。読後の満足感は高いな。

 

 

そして・・・マリオは個人的にも特に大好きなキャラですが

これまでは存在によって与える心強さや頭数としての貢献はあれど、救出ではバグ状態の印象が強かったですし、ワン・ポーカーで鋭さを見せるのも常にチャンの方でした。

 

もちろん・・・赤ライフの献身だけでも間違いなくカイジにとって恩人ですから何も悪いことは無いのですが、直接的なアイデンティティを持った行動による活躍が見たかったのは事実。

 

それだけに今回の奮闘は嬉しいです。

より三人それぞれが互いの血肉であり、かけがえのない一心同体であることが証明されたようにも思います。

 

仮にマリオの株を上げるサービス回と見ても満足でした。

 

 

・・・最初は突入の意義を疑って批判してしまった24億脱出編ですが、正直かなり楽しめています。

やはり停滞感が少ないことが一番の要因ですね。

 

 

最後に、一つだけ気になる点があるですが・・・
警官がカイジたちを呼び止めたコマ、
警官は笑ってるんですよね。
本当に職質のつもりだったのでしょうか。
 
結果的にマリオを上げる回であっただけと思えなくないことも気になっていましたから、何かの伏線なのか。
 
状況的に仕方ないにしろ、カイジたちが勝手に決めつけて逃走したのが何かしらの裏目に働かないか・・・やや心配。
 
このまま波乱なく逃げ切れると思えないところはありますが、出来ることなら無事に勝利を確定してほしい。
杞憂であることを願います。

 

次週は休載です。

 

 

・週刊ヤングマガジン№9(2018年2月12日号)より

 

 

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